少年王子シリーズⅡ next generation ～ 聖戦

仮面舞踏会 4月9日 ※

side:リシェ


今日は僕とリシェールの誕生日。
ちょっと今回は変わったパーティーだそうで、僕も参加者として『仮面』を渡された。
今回は『仮面舞踏会』なんだって。
「顔を半分隠したところでリシェの美しさは気取られるとは思う。まあ、無いよりいいだろう。」
「安心しろアレクシウス。私のみ剣の所持が認められている。」
舞踏会じゃなく武道会だったかな？
不穏な雰囲気を出す二人をよそに、舞踏会が開始される時間になった。


「アレクシウス皇帝。」
始まってすぐアレク様は声を掛けられる。
この国ルキウスでは闇の人達の人権が普通に認められている。
でもそれはかなり最近。
だからアレク様は外交で忙しい。
「済まないリシェ様。私も呼ばれてしまった。すぐに陽太に来るように伝言はした。リシェ様に注意を向けながら話をするから、私の目の届く範囲に居て欲しい。」
「うん、わかった。いざとなったら結界張るから平気だよ。」
「…わかった。」
後ろ髪を引かれるような様子でリシェールは少しだけ離れた。
気付けばリシェールだけでなく、アレク様も僕を視界に常に入れてる。
何かいつまでも心配されて、申し訳ないな…。
きっと僕が鈍臭いからだよね。

気を取り直してすぐ傍のテーブルの飲み物を探る。
あれ、これどれがアルコールじゃないんだろう？
「どうしたんだい君？」
オロオロしてると声が掛かった。
別にどうしても今飲みたいわけじゃないから後にしよう。
そう考えた僕は、親切に声を掛けてくれた男性に会釈する。
「あ、いえ、手持ち無沙汰だったので。」
じっと僕を見る男性。
「君は光の、ルキウスの子だよね？あまり見掛けないね。」
仮面をしていても髪の色でわかるしね。
「はい、僕は遠縁なので。」
ちゃんと答えたせいか、この人はすぐに去らないで積極的に話してくれた。
「リシェール王の遠縁？」
近くの人にも聞こえてしまったらしく徐々に人が集まって来た。
どうしよう！と内心焦ってたけど、困った事は言われてないのでどうにか会話を続けられた。
他の王家の話とか、闇属性の人々の扱いについて各国の現在の対応とか。
少なくともここに居る人達は、闇を差別していない。
寧ろ差別していた時代の不信感とかも話してくれた。
この調子なら……アレク様と二人でやっていた事が報われるのも時間の問題かもしれないって、安心感を感じた。
勿論全てがすんなり行かないのはわかってるけどね。
「そういえば君、名前は？」
今までの会話で僕だけが名乗っていなかった。
リシェって名乗って平気かな？　
それともこういう場は偽名？
新たにオロオロ案件発生…。
「俺の妻に用か？」
背後からアレク様の声が掛かり、腕の中に抱き寄せられた。
僕は赤面しながら身を寄せる。
恥ずかしがってちゃいけない。
アレク様が妻だと言ったからには、それらしく振る舞わないと、アレク様に恥をかかせてしまうから。
「おお、アレクシウス皇帝の奥方様でしたか。」
「妻が何か失礼を？」
アレク様は思ってもいないだろう事を形式的に言う。
あ、でもオロオロしたのって失礼だったかな？
「奥方様は頭の回転が早く、切り返しには驚いていたのですよ。」
何だか他の人も褒めてくれる。
嬉しいけど気恥ずかしい。
アレク様の腕の中で落ち着きなくソワソワしてしまう。
「ああ、妻は外交が得意なもので。」
え、ええ！？いつの間にそんな事に！
外交なんてした事無いよ！
困った顔をアレク様に向けると、アレク様が耳許で囁く。
「大丈夫。リシェが外交に向いているのは過去見てきているからな。」
そうなんだ。
自分ではわからないけど、アレク様は嘘は言わない。
「アレクシウス皇帝、このまま宜しければ奥方とお話しても？」
集まってくれた人がまだ会話を続けたそう。
その時音楽が始まった。
「済まないが、妻と一曲踊って来たいので。」
「すみません、後でまた続きのお話を是非聞きたいです。」
そう言って笑みを向けたけど、仮面の下だからわからないかな？
何故だか動きを止めた人達に軽く会釈すると、アレク様に腕を取られてフロアのほぼ中央に連れて行かれた。
「あ、アレク様！ここど真ん中っ！」
「ああ。俺のリシェだって宣伝するにはいい場所だろう？」
元々踊りとか得意じゃ無い方なのに、大勢に注目されちゃう！
曲に乗る前に緊張で身体が硬くなる。
「以前にも言ったがリシェは踊りの授業は受けていた。それに…。」
アレク様が一呼吸置く。
「俺がリードするんだ。リシェを完璧に踊らせる。俺に出来ない事は無いだろう？」
不敵な笑みで僕に言う。
「あ……。」
そうだ。
アレク様に出来ない事は無い。
と言うか、出来ない事は言わない。
「……お願いします、アレク様。」
アレク様を信じて笑顔を向ける。
それだけで硬くなっていた身体から緊張が解けていった。
やっぱりアレク様は凄いな。
すぐにアレク様の手を取り、もう片手をアレク様の肩に。
僕は自然に動いた。
アレク様が引いてくれてるのに任せてる。
それだけで自分で踊ってるような錯覚がする。
見てる人もきっと僕が自然に合わせてるように見えてる、絶対。
何でも出来るアレク様。
こんな凄い人に愛してもらえてるんだ。
「僕は幸せだな…。」
思わず小さく呟いた言葉をアレク様は聞き逃さない。
「ん、何がだ？」
顔を近付けて耳許に囁かれる。
吐息が掛けられただけで、ゾクリと軽く身を震わせてしまいそうになる。
「アレク様に、愛されてる事が…。」
近くなったアレク様の瞳を、耳への吐息で僅かに涙目になってしまった目で見つめながら、ちょっとつっかえ気味に答えた。
アレク様が何だか息を飲んだ様子になり、すぐに身体をくっつけてくる。
「全く…こんな所で誘われたら対処に困る。」
「さそっ…！？」
「もう抜けて部屋に戻ってヤるか？」
「所構わず発情するな！」
アレク様に流されそうになりかかった時、リシェールの叱責が聞こえた。
そのままリシェールに手を取られてアレク様から離される。
「リシェ様、このまま私と踊ってくれ。」
残されたアレク様が不機嫌そうにリシェールを睨んでる。
アレク様を無視して僕をリードしてくれるリシェール。
凄い…リシェールもアレク様とタイプは違うけど上手だ。
アレク様は力強い踊りで、リシェールはスマートな感じ。
僕はリシェールに安心して任せた。
リシェールは僕と踊りながら高台がある場所……リシェールがパーティー開始の時に挨拶した場所だった。
そこに上ると去年を思い出した。
リシェールが僕の仮面を取り外す。
場がざわつく。
金髪で、国王と顔が何となく似てたらざわつきもするだろう。
去年もここでリシェールに紹介されたんだった。
去年ここに居た人は知ってるだろうけど、今年は他国のお客さんが増えたから…。
去年参加出来なかった闇の人も居る。
だから去年はアレク様だって金髪に変装して参加したし。
忘れてた…誕生日に集まってくれてるんだから挨拶、必要だよね。

ギクシャクしながらどうにか笑みを観衆に向ける。
さっき話した人達も見てる。
アレク様がいつの間にか僕の横に居た。
リシェールがいつの間にかマイクを手にしていた。
「本日は私の誕生パーティーに集まってくれて感謝する。去年集まってくれた者は知っているだろう。同時に、こちらの彼もまた同じ誕生日だ。」
僕の容姿に同じ誕生日と来たら繋がりを考えるに違いない。
ざわつきが僕を見てる事がわかる。
足が震えそうになった瞬間に、アレク様が僕の肩を抱いて支えてくれた。
立場が回復したとは言え、こんな場で堂々としているアレク様。
そう言えばアレク様は僕を支える為に壇上に上がったのかな？
次のリシェールの言葉に僕は驚愕させられる。
「本日は二つ皆に伝える事がある。一つは、この彼の正体は、光神リシェールその人である事。」
「あ……え…？」
言葉が出ない。
こんな大勢の中で正体を披露されちゃった……。
フロアは物凄いざわめきだ。
喋っているリシェールじゃなく、ほぼ全員が僕に視線を集中させてるかもしれない。
呆然と立っている僕を置いてきぼりに、再びリシェールが声を発する。
「そして今日は私達二人の誕生日であると同時に、光神様と、ここに居る闇神様の結婚、同時に私とルイス将軍の婚姻を発表する。」
鎧に白いマントを羽織った陽太さんが壇上に上がる。
人々の驚きやざわめきをそのままにリシェールは続ける。
「光神と闇神の結び付きで、現在の各国に対し、闇の一族への弾圧をこの世界から無くす為に我が国とファルセア帝国は積極的に動くことを宣言する。」
リシェールの宣言で場が静まる。
一部顔色が悪い人は多分、闇を悪く思ってる人じゃないかと思う。
何だか一気に大事がいくつも起きて頭が回らない。
リシェールが立ち尽くす僕を心配そうに、申し訳無さそうに見つめてくる。
リシェールはいつも僕に優しかった。
こんな風に追い詰めるような事をするのは、何か考えがあるんだろう。
アレク様に視線をやると、やっぱりアレク様はこの事態を知っていた感じ…むしろこの茶番はアレク様の仕業っぽい、満足そうに笑んでいた。
確かにさっきの演説内容のタイミングはこの場が最高だろうと僕も気付く。
各国の首脳が来てる。
国内の実力者も。
リシェールからアレク様がマイクを受け取る。
「紹介に預かったファルセア帝国の皇帝にして闇神のアレクシウスだ。多くは語らない。我が同族が無為に迫害されない世界を望む。」
アレク様はそれだけ言うと、微笑んで僕にマイクを渡す。
アレク様の期待に応えたい。
僕がアレク様と対等であると証明する機会だから。
「光神リシェールです。かつてから不当に迫害されて来た闇の方達に、本来の地位を確立してあげたい。全ての人々にとって差別無き世界にしたい。みんなで幸せになる事が僕の望みです。」
そこまで言ってアレク様とリシェール、陽太さんを見る。
「アレクシウス様とリシェール国王、ルイス将軍が同じ気持ちで既に味方し、動いてくれてます。」
三人は頷いてくれる。
「全ての人の幸福が、僕の願いです。皆さんの力を貸して下さい。」
言い終えると僕は祝福の魔法を展開し、この国を魔法で包んだ。
祝福を受け取った人々が跪いて祈ってしまう。
本物だ…とか聞こえてくる……やり過ぎた？
アレク様が僕を抱き上げる。
リシェールは涙ぐんでいた…へ、平気かな？
陽太さんがハンカチでリシェールの目許を拭い出した。

その後は人々に囲まれて必死でどうにか対応した。
もう今後これ以上の修羅場は無いに違いない。

どうにかパーティーの最後を迎えると、アレク様が僕を抱えて転移する。
何だか急いでる感じ。
日本側に来るとすぐにログアウトするように言われたのでそれに従う。


「急がせて済まないな。」
日本に戻ると開口一番謝る涼一さん。
「ううん、急いでたでしょう？」
「ああ。今日中にしたい事があるからな。」
それだけ言うと僕の手を引いて街へ繰り出した。
レストランで食事してから、そこから近くの観覧車に乗った。
「外デートしたかったの？」
向かい合って座り、何だか色々聞きたいけど、ムードを壊しちゃうかなとも思うと何から聞くべきなのかって。
「誕生日おめでとう、柚希。」
何となく、涼一さんも順序を考えてる感じ？
「有難う。」
ふと気付いた…涼一さんは頂上に着くのを見計らっているんだって。
「１８歳だな。」
「うん。」
あっ…わかった。
さっきパーティーで言ってたじゃ無いか。
直後涼一さんが跪いた。
「柚希、もう一度言う。芹澤柚希…俺と結婚してくれ。」
真剣な顔で、前世でアレク様が言ってくれた通りにプロポーズしてくれる涼一さん。
だから……。
「はい、謹んでお受けいたします。」
僕も前世通りに返事した。
そして服の下、胸元に下げていたネックレスを外して、涼一さんに差し出すと、一瞬驚いた顔をする。
「付けててくれたんだな。」
「学校では付けて行けなかったけど、出来るだけ付けてたよ。僕が涼一さんの物って証でしょう？」
そう告げると涼一さんが嬉しそうに破顔する。
「ああ、俺の物だ。」
以前涼一さんがくれた婚約指輪。
ネックレスのチェーンから指輪を外すと、僕の左手の薬指に嵌めてくれた。
僕は照れながら笑顔を浮かべる。
「柚希…俺の、鷹宮柚希になってくれるか？」
「はい。」
そう答えはしたものの、日本では無理だから海外でどうこうするのかな？
「今日から俺の嫁だな。やっと…叶った。」
「うん…待たせて、御免なさい。」
あっ、まずい…涙腺が…。
「柚希、愛してる。」
僕は引き寄せられてキスされる。
僕も涼一さんの背中に腕を回してしっかりと唇を重ねた。
嬉しくて涙がぼろぼろ零れてしまう。
だって前世で叶わなかった事が叶ったんだから。
口付けは、やっぱり丁度観覧車がてっぺんに来た時だった。


観覧車を降りると、涼一さんが取っていたホテルに連れて行かれた。
部屋に入ると涼一さんがすぐに僕を抱き運んでベッドに降ろす。
「大切にする。俺の柚希。」
「ずっと大切にしてくれてたよ。」
恥ずかしさを感じて少し茶化してしまった。
上にのしかかる涼一さんが、僕の頬を大切そうに撫でる。
「柚希は嬉しい事ばかり言ってくれる。自分でもおかしいんじゃないかと思うぐらい、柚希が好きで好きで堪らない。」
言いながら僕の頬へ唇を這わせる。
「僕も…涼一さんじゃなきゃ駄目になってるよ。」
手を涼一さんの後頭部へやり、ゆっくりと撫でる。
「柚希…。」
心地良さそうに目を細めた涼一さんが、唇を下へと滑らせて鎖骨から首を舐める。
「んっ…あっ…涼一さんっ、好き…。」
涼一さんが愛撫する通りに、そこを押し付けるようにして身体が自然に動く。
涼一さんが首のあちこちを強く吸って、僕に証を残して行く。
ちゅっとリップノイズがするたびに、僕はビクビク反応してしまう。
「俺の柚希…可愛いな。」
涼一さんは少し身を離して僕を眺める。
「涼一さんが、そうさせてるんだよ。」
羞恥を感じながらそう言い返すと、涼一さんは僕の衣類を手早く脱がす。
全裸になった僕はそのまま、涼一さんが脱ぐのを見届けた。
「涼一さんの奥さんになって初めての行為だね。」
どうも僕は照れると余計な事を口走る。
言ってからそんなの言わなくても当たり前じゃないかと気付いて、一人で赤くなってしまう。
「本当に…柚希は俺の興奮を煽って来るのも得意だな。」
涼一さんがのしかかって、肌をピッタリとくっつけて来た。
本当だ…触れている涼一さんの股間はフルの状態だ。
「ん？『も』？」
「そういやさっきの説明してなかったな。柚希の社交レベルが恐ろしく高いんじゃないかと思ってた。」
さっきの演説の時の事だろう。
やっぱりあれは涼一さんが主犯だったんだ。
「俺の会社に来た時、気難しい得意先と柚希が楽しそうに喋っているのを見て、ひょっとしたら柚希は俺の会社に無くてはならない存在になるんじゃないかと思ったんだ。」
「それって、涼一さんの所で僕を雇ってくれるの？」
「ああ、そうしようと考えた。だから今日抜き打ちでどう出来るか試した。」
「あんな重要な場で……。それで、合格？」
「俺の想像以上だった。」
ニッと涼一さんが笑みを向ける。
「失敗したらどうする気だったの？」
「俺は柚希を信じてるからな。」
そう言われると怒れない。
「あ、じゃあ僕は涼一さんの会社で働けるのかな？」
「大学卒業してからでいいから、俺を助けてくれないか？」
「有難う、嬉しい！」
涼一さんの背中にしっかり腕を回して抱き付く。
僕は常に何かの役に立ちたいと思ってたから、涼一さんの助けになれるなら願ってもない。
いや、多分涼一さんは僕が役に立てる舞台を探してくれてたんじゃないかなって思う。
「まあ仕事の話は追々。今は夫婦の時間だ。」
そう言うと涼一さんは少し上体を下げてしまい、僕の胸の突起にしゃぶり付く。
「あっ！ああんっ！涼一さんっ！」
片方を舌で転がすように舐め、もう片側を指先で弄る。
それだけで僕は股間を硬くし濡らしてしまい、涼一さんの昂りに自分のそれを自然に押し付けるようになってしまう。
「もう濡れてるな。」
それに気付いた涼一さんも興奮している様子で、僕の乳首を弄りしゃぶりながら掛かる息が荒い。
愛撫が荒々しくなる。
舐めていた乳首を吸いながら時折軽く歯を立てる。
もう片側も指が強く摘み、窪みを爪で抉る。
「そんな…っ、ひどく…したら…っ！」
頭の中が真っ白になりそうなのに、僕の身体はそれを強請るように卑しく動いてしまう。
僕の股間の涎を出すモノに、涼一さんが自分のそれを押し付けて、擦れ合うように動く。
「も…っ、イっちゃ…！ふあああっっ！！」
僕のお腹を、涼一さんの腹部を汚すように精液を撒き散らす。
出し終えると身体のビクつきが収まらない。
涼一さんの動きが止まると、僕は荒い呼吸を吐き出して、少しだけ身体が落ち着いていく。
少し余裕が出たところで涼一さんに視線を向けると、涼一さんは熱っぽい眼差しで僕を見ていた。
僕と視線が合うと、不敵な笑みを浮かべる。
「俺の嫁の扇情的な様子を目に灼き付けていた。」
聞かされて恥ずかしくなる。
だってまだジロジロと見てくるから。
「いじめ…ないで…。」
赤い顔でそれしか言えなかった。
赤い頬に涼一さんが手を伸ばして撫でる。
「苛めると、こうして可愛くなるからつい、な。」
僕の頬を撫でながら涼一さんは愉快そう。
「いじわる…。」
そう言うと、すぐに僕は涼一さんの背中に再度腕を回して抱き寄せる。
「涼一さん…旦那様、柚希を早く…抱いて？」
そう耳許に囁くと、股間の涼一さんのモノが更に大きくなったのを感じた。
「やっぱり…柚希には一生敵わないな。」
涼一さんが僕の顔を見ながら生唾をゴクリと飲む。
すぐに僕の腿を抱え上げ、先端を後孔に宛てがうと、余裕が無さそうに一気に押し入ってしまう。
「あ…ああっ！」
僕の肉壁と涼一さんの肉棒が激しく摩擦する。
それだけで中が快感で自然にうねってしまう。
「っ…！もう柚希の中、食い付いて来るな。」
涼一さんは奥まで入ると動きを止めずに律動して、僕を激しく突き上げる。
「りょういちさ…んっ！はげし……ああっ！！」
パンパンと腰が打ち付けられる音に次第にクチクチと粘液の卑猥な水音が混じり出す。
自分の中と涼一さんのモノが液体を滲ませ、潤滑して更に突き上げの速度が上がる。
「あっ、ふあああっ！りょ、いちさ…っ、もうっ…ああっ！あああ―――っっ！！」
中が甘く疼く。
気持ち良過ぎて達してしまい、自分の身体に白液を撒き散らしてしまう。
でも涼一さんはまだ止まらない。
「あああっ！！なか……っ！あたま…っ…へんな……るぅ…っ！！」
イくたびに中がきゅっと締まって涼一さんを締め付けてしまい、摩擦が強まり余計に感じさせられてしまう。
奥を突き上げられる度にイって、もう精液は打ち止めに。
「も、っふ！あああっっ！！」
言葉にならない喘ぎが上がってしまう。
「は……可愛い、柚希。出すぞ。」
「ああんっ！だしてえ、ゆずきに…いっぱ…ああっ！！」
スパートでより激しくなって、もう頭の中が真っ白で。
「愛してる…柚希っ！」
「ああっ！ふあああぁぁっっ！！」
涼一さんの迸りをお腹の奥で受けながら、精液の代わりに潮を吹いて激しく達した。
涼一さんが満足気に、僕が噴射した潮を舐め取る。
全身がビクビクしてしまう。
無意識にピンと突っ張ってしまった僕のつま先を涼一さんは掴み、親指に舌を這わせる。
「ふぁ、あぁっ！」
潮を出し尽くし、足の指に受ける刺激にも感じてそのままドライで達した。


一瞬だけ意識が飛んでたようで、気付けば涼一さんに腕枕で抱き締められていた。
「平気か？」
髪を撫でてくれながら様子を窺う涼一さんに、気怠いままで笑みを浮かべると、安心してくれた。
「柚希が愛おし過ぎて、際限無く求めてしまう。」
「ん…好き。」
喘ぎ過ぎて声が出にくいから短く答えて、顔を涼一さんの胸にくっつけて態度で示す。
「こっちでもようやく…叶ったな。」
「ん、嬉しい。」
視線を合わせると、顔のあちこちにキスが落とされる。
「幸せにしてくれて有難う。」
「俺も柚希に幸せにしてもらってる。」
唇に唇が触れる。
「次は六月の挙式だな。」
「ね、待ち遠しい。」
嬉しくて笑みが浮かんでしまう。
「無理しないで寝ていいからな。」
「うん…。」
確かに疲れたけど、この幸せな時間に浸ってたいなって。
でも、やっぱり涼一さんと会話しながらいつの間にかウトウトしていた。
「お休みなさい。」
どうにか挨拶すると、意識が落ちていく。

遠くで話す声が聞こえたけど、それが現実なのか夢なのか…。

「そうか…大半は光神と闇神である事は信じたか。取り敢えずそっちに居るお前は、刺客に気を付けろよ。」

相手はリシェールかな…心配…。
電話を切って僕の頭を優しく撫でてくれる感触がして、気持ち良くてすぐに意識を落としてしまった。

挿絵イラスト　あるふぁ様　https://skima.jp/profile?id=42285