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EX3

神に至る試練 ※

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side:涼一→アレク


「柚希が倒れた!」
大学で講義を受けていた俺は、リシェールから連絡を受けると急いで帰宅した。
家に着くと、何だか様子がおかしいリシェールが不安顔で、ベッドに横たえられた柚希の顔を見ていた。
「病気か?怪我なのか?」
一見した感じ、顔色は悪くない。
「何故だかはわからない…。急に倒れたんだ。」
確かにそれは心配だ。
「それと……柚希の魂の居場所がわからないのだ。」
柚希とリシェールは互いの居場所が常に把握出来る。
それが出来ないという事は……。
「二人の間の妨害を出来る程の奴が柚希の魂を拐った可能性か…。」
柚希の魂の力は今かなり強い。
それを捕らえていると言う事は…。
「下手すると…神レベルか…。」
俺は頭をグシャリと掻いた。
気持ち今すぐに助けに行きたい。
が、俺の敵わない相手となると、何らかの策が必要だ。
だが時間を掛けると柚希の身の危険性が上がるだろう。
今まで出来ない事は無かったのに、ここに来て力不足を感じるとは…。
「策なんか無くても、柚希を俺は助ける。リシェール、お前は危ないから残れ。」
「…だ、だが…っ!」
リシェールも自分の力が及ばない事は勘付いている。
「大丈夫、俺はやると言ったら必ずやる。戻った柚希が休めるように用意しておいてくれ。」
「……わかった。」
諦めた様子で柚希の髪を撫でながら了承するリシェール。
リシェールも異常事態に混乱しているのだろう。
策を考える暇も無く、俺は異世界に向かった。


リシェールにすらわからないリシェの居所をどうやって探すかだが…。
ピンチならばリシェは俺を呼んでくれる。
以前それを確かめ合ったからな。
だが、一つ心配な事がある。
敵が明らかに俺が敵わないと判断した時、リシェは…俺を死なせない為に呼んでくれないのでは、と。
俺はあらゆる可能性を考えて、リシェが居る場所を、敵の正体を計算しまくった。
相手が神ならば何処に居るかを考える。
順番に辿るしか無かったが、光の神は可能性は無い。
次に関係するとしたら闇の神か。
あいつだとしたら…帝国以外に行く所は無いと思う。
一時意識を共有した俺だからこそわかる。
ただ、闇の神が何の用があると言うのか、さっぱりわからない。
だが今の俺には順番に潰していくしか手段が無い。
俺のリシェを信じて無事でいる事を願いつつ、帝国に転移した。



side:リシェ


僕はどうしたらいいんだろう…。
気が付いたら身体が麻痺させられていた。
動けない僕は全裸に白いレースのみのドレスでスケスケにされていた。
身体はもう丸出しと言ってもいい。
両手と片足だけ白布で縛られて吊るされてる。
僕を捕らえてる人が変態なのはわかった。
「本当に、ファルセアによく似ているな…。」
って事はこの人は、姉さんをこうしたかったのかな…。
状況も考えられないくらいにひいた僕は、つい痛い眼差しを男に向けてしまった。
「喋れないのだったな。何となく何を考えているのかはわかるぞ。」
愉快そうにそう言うと、僕の口だけ麻痺を解除する。
「何が目的なんですか?」
開口一番に問うと、男は軽く口端を持ち上げた。
「目的という程の事では無い。我が子孫と少々遊ぼうと思ってな。」
恐れてた事態だ。
アレク様を呼びたいけど呼べないでいる理由……僕を捕らえている『闇の神』――魂だけの存在だけど、器が無い分もしかしたら強いかもしれない。
そうでなくても目の前の神に、人間であるアレク様は敵わない。
ここにアレク様を呼んだりしたら、間違い無く……。
「呼ばないのか、奴を?」
「僕はアレク様を危険に合わせたくないんです。」
「ふん、愛されているな。では、呼びたくなるまで、お前を追い詰めてやるとしよう。」
「…っ!」
怖い。
僕の内太腿に闇の神の手が這う。
僕はびくりと身体を震わせてしまう。
「その子もその場所も俺の物だ!」
「あ…アレク様…っ!」
掛かった声は心の奥底で望んでいた声。
だけど今は駄目だと思ってしまう。
僕はアレク様に逃げて欲しいと眼差しを送る。
「せっかくリシェが望んでくれたから叶えてやりたいが、悪いな…それは聞いてやれない。」
「アレク様……。」
うん、アレク様はそういう人だ。
不安な眼差しを向けて返してしまう。
「例え俺の命と引き換えでも、俺はリシェを助ける。」
「そんなの、嫌です…!」
「リシェの気持ちは嬉しいが、俺は自分よりもリシェが大切なんだ。」
余裕そうに笑みを浮かべるアレク様。
きっと手段なんて無いだろうに…。
僕は麻痺を解除出来ないかと、出来る範囲内で、身体の内の魔力を集める事にした。



side:アレク


当たりだった。
賭け事は強い方だったからな。
俺のものよりも深く濃い闇の結界が城の入口に張られ、そこにリシェは居た…が……何だかけしからん格好だ。
緊張の場なのに口許が緩みそうになるのを手で隠して堪える。
「あ、アレク様!気分でも悪いんですか?」
俺の様子を見て心配そうなリシェ……良からん事を考えていた事を、心の中で謝った。
「平気だ。今助けるからな。」
どうにか平静を装って、リシェに微笑で声を掛ける。
「会話は済んだのか?我の用事を聞いて貰おうか?」
いかん、リシェの扇情的な姿を見て、完全に気が抜けていた!
これが神の策だとしたら、恐ろしいな…。
「そんなに阿呆だったか、お前は。」
以前奴は俺と一体化したから、その時の俺と比べられているらしい。
「何の為にリシェをそんないやらしい格好にした?」
「お前が好むと思って用意してやったまでよ。」
「俺はお前に褒美を貰うような事はしてなかったと思ったんだがな。」
「褒美…?」
俺と闇の神の遣り取りを見ていたリシェが、微妙な表情を浮かべて呟く。
…闇の神と前に一体化したせいか、敵意が湧かない。
すると緊張とかも全く感じなくなってしまっている。
そうさせるのが作戦だったら俺は踊らされている事になる。
「まあ良い。我は、アレクシウス…お前に神の座を譲ってやろうと思ってな。」
「!?その代償が発生するんだろう?」
いきなりの申し出は俺に都合が良過ぎて、さすがに素直に『はいそーですか』とはならない。
「そう慎重にならずとも良い。」
闇の神の言をすぐに受けない俺に、奴は面白そうに喉で笑う。
「光神は必ず未来に神々の争いに巻き込まれるだろう。そうなった時に只の人間であるお前には、光神は守れず、むしろ足手纏いになるであろう。」
図星だった。
現在の魔力は光神であるリシェが、只の人間だが恐らく俺より魔力が強い人間は存在しないだろう俺ですら凌駕しているのはわかっていた。
そんな俺がリシェを護れる力が手に入るなら…。
「提案は助かるが、お前のメリットは何だ?」
そう、俺に一方的に都合が良過ぎる話だ。
簡単には信じられない。
「飽いたのよ…この世界の仕組みに。平和を目指す為に戦う必要がある。お前も知っているであろう?闇の一族に平和をもたらす為には戦いが必須。この戦いには常に終わりが無い事がな。」
そうだ。
俺もリシェもここから先、帝国に攻めて来る奴が必ず居る、そいつらと戦いは避けられない。
味方だと思っても、次の瞬間に敵になる奴も居るだろう。
キリが無い戦いに俺も一度諦めようとした事があった。
そんな俺の心をリシェが救ってくれた……。
とすると俺が選ぶ道は一つだ。
「リシェを護る為に力が欲しい。」
「アレク様……。」
リシェの目の端に涙が浮かぶ。
早く用事を終わらせて、涙を拭ってあげないと。
「俺はどうしたら良い?」
心を決めた俺は、闇の神に問う。
「簡単な事。我の力の全てを渡してやろう。」
「それだけか?」
余りにあっさり過ぎてまた疑いが湧きそうになる。
「ふっ……簡単では無いのだ、人間の器で神の力を受け入れるのは。」
手を掲げた闇の神が、黒い魔力を俺に注ぐ。
最初は何て事は無かったが、俺の身体の許容量を越えた頃、内包する魔力が内側から身体を破って外へと排出されそうな…それを無理矢理身体の内に押さえ込むような感じで、全身から激痛がする。
「ぐっ……!」
これ程の痛みを感じたのは生まれて初めてだ。
余りの激痛に膝から崩れ落ち、いつまで続くのかわからない痛みに、受け入れた魔力を放棄しそうになる。
「アレク様っ!」
リシェが治癒を使おうとする。
「光神よ、お前が光魔法を今あいつに使えば、せっかく制御されようとしている闇の魔力が消えてしまうぞ。」
「あっ……。」
リシェの治癒ならばこの苦痛も治るだろう。
だが光と闇の反発で、俺が受け入れた魔力も相殺されてしまう。
俺は一人で乗り切るしか無い。
「アレク様っ!!」
不意にリシェに抱き締められる。
どうやら闇の神がリシェを俺の元に転移したようだ。
辛く苦しいが、リシェの包容が苦痛を楽にしてくれているような気がした。


どれくらい時が経っただろう…顔に雫が落ちて来た。
…どうやら俺は意識を失っていたらしい。
雫は心配顔で俺を覗き込むリシェの涙だった。
「リシェ…平気だ…泣かないでくれ…。」
痛みは無くなっていた。
身体も軽いから、俺が力を継承した後でリシェが治癒魔法を掛けてくれたんだろう。
リシェの目許に手を伸ばして、両瞳をそっと拭う。
「御免なさい、御免なさい!僕のせい……っ!」
「違うぞ、今回はリシェが巻き込まれたんだ。あいつの狙いは端から俺だった。リシェが居なかったら苦痛で発狂していたかもしれない。」
「……あの人が言ってました。『ファルセアを護って欲しい』って。」
「そうだな。リシェが巻き込まれる戦いなら必ず姉のファルセアも参戦するだろう。」
「あの人は姉さんが好きだったんですかね。姉さんを頼む事と引き換えに、アレク様に力を託したのかなって。」
「それもあるだろうな。まあ、頼まれなくとも、リシェの大切な物は俺が絶対に護るから安心してくれ。」
「はい……アレク様を信じてます。」
リシェが『危ないから』『巻き込むから』などを口にしなかったのは、俺が力を手に入れたから安心してくれたのだろう。
それだけでも力を手に入れて良かったと思った。
「リシェは怪我は……っ!?」
今更ながらリシェの凄い格好が目に入ると、ガン見してしまう。
イイ!この衣装はエロイイ!
「怪我は無いですよ。……アレク様?」
返事をしない俺の様子にキョトンとするリシェ。
エロ衣装とキョトン顔の合わせ技で、スッカリ元気になった俺が漲る。
すぐに起き上がり、リシェを抱き締めて寝室に転移し、ベッドにリシェの身体を押し倒し、両手首を頭上に一纏めにシーツに押し付けた。
「あ、アレク…様……。」
リシェが恥ずかしそうに頬を紅く染め、熱を帯びた眼差しで見つめて来る。
卑猥な衣装を着たリシェの全身を、俺がいやらしい目で眺め回しているのに気付いたようだ。
「この衣装で結婚式もいいな。」
「だ、駄目ですよ!他の人に見られちゃいます!」
「本当は芸術とも言えるリシェの裸を見せびらかしたいくらいだ。まあ、リシェの身体を見てもいいのは俺だけだからな。」
「芸術……。」
リシェの乳首も股間も丸出しなのに、薄いレースがそれらを卑猥に演出してくれている。
ずっと見ていられるが、興奮で股間が痛い程だ。
「まだ…見てるんですか?」
リシェが羞恥心の余り、顔真っ赤でいっぱいいっぱいになっているようで、俺に恥ずかしそうに問い掛ける。
「力のせいか、精力に満ち溢れている。」
「そ、そうですか。違和感無さそうで良かった。」
恥ずかしさをまだ混じらせながらも、俺を気遣ってくれるリシェ。
どこもかしこも可愛い俺のリシェ…。
耐え切れたのはそこまでだった。
俺はリシェの両手首を解放すると、股間へと手を伸ばしてリシェ自身を擦り立てる。
同時に左手の中指を孔へと侵入させる。
「ああっ…!あれく、さまぁっ!」
前後を弄るとリシェは合わせるように腰を動かして喘ぐ。
感じている時のリシェは艶めいている。
手を動かすのを止めてつい顔を眺めてしまっていると、リシェの瞳が俺を覗き込む。
「アレク様、僕とお揃いの目の色になりましたね。」
そう言うと、リシェは艶めいたままの表情で笑みを浮かべた。
「そうだな。昔から憧れたリシェの瞳の色だ。」
「嬉しいです。」
そう言ってニコッと笑う。
「目の色もそうだが、これで何者からもリシェを護れるようになれた。」
「はい、頼りにしてます。」
リシェの方から俺に唇を重ねて来た。
リシェの柔らかい唇の感触に、再び俺に凶悪な欲望が湧き上がった。
空間からローションの中身だけを取り出し、素早く指に取りリシェの中に塗り付ける。
「あ…あぁ…奥に…っ!」
指を欲しがるようにリシェの孔が収縮する。
「もっと欲しいか?」
指をバラバラと動かしながらリシェに問い掛ける。
「あれくさまが…欲しいですっ!」
感じて舌足らずになり始めているリシェの口は、上擦った声でおねだりしてくれる。
「ああ、俺もリシェが欲しい。」
俺も当然に余裕が無い。
指を引き抜いて代わりに俺自身を一気にリシェの中に埋めた。
「あ…ぁんっ!太いのが入ってるぅっ!」
リシェの肉壁が俺を締め付ける。
心地良さの余り、一瞬そのままイきそうになった。
リシェの中は俺を更に喰らうかのように、ビクビクと収縮を繰り返している。
「美味しそうに味わうな、リシェは…。」
先にイかないようにとリシェの中を突き上げる。
「ああ…っ…おいしぃ…あれくさまの…ぉっ!」
「精子も、出してやるからな。」
リシェの弱点へ集中して突き上げ、一緒にイこうと我慢していたものを吐き出す準備に取り掛かる。
「ああっ!おっきいの、来るっ!来ちゃう…あああ―――っっ!!」
「っ……リシェっ!」
リシェがイくと俺をキツく締め付けるので、自然に俺も達した。


風呂に入ってすぐにリシェールの所に戻ると、「先に無事を知らせてからやれ!」とドヤされた。
当然リシェの事はベッタベタに心配しまくっていた。
確かに心配していたのだから先に連絡するのが正しかったが、リシェのあんな姿を見て正気で居られる方がおかしい。
因みに今はちゃんと普段の服を着せている。
あのエロドレスはしっかり回収した。
また着せよう。 

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