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第三章 side:リシェール
第二話 少年王子は闇の皇帝に囚われる
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帝国の地を踏むと気配を肌にピリピリと感じる。
これが闇の魔力?
ウェルナート様と一緒に進んでいく。
僕が光を付与しても普通の人間の攻撃は通らないということなので、兵を進軍させても無駄死にさせる。
だから、二人だけで乗り込むしか無かった。
本当はウェルナート様には、自分の国の事では無いから来て欲しくなかった。
僕のせいで危ない目に合わせるのは嫌だった。
『一緒に居たい』と言われてしまうと、それ以上は言えなかった。
ウェルナート様は媒体にし易い杖を手にしているので、それに僕が光を付与している。
遠くに城が見える。
その前には闇の魔物と呼ばれるクリーチャーが、城を守るようにうじゃうじゃ居る…グロイ…。
ウェルナート様が先に、火魔法を発動する。
光の付与をしたため、発光する炎が構築された。
いいなぁ、カッコいい!
この世界に居る間に一度は使ってみたかった…。
ウェルナート様が大群に撃ち込むと、視界内の魔物が灼けて溶けていく。
チートって言ってたけど本当だよね。
ウェルナート様にばかり任せていてはいけない。
少しずつ城に近付くと多分気付かれたのだろう、尋常じゃない数の魔物の群れが城門前に居た。
ウェルナート様が詠唱に入る、強烈な魔法を作り出すまでの時間。
その隙を埋めるのが僕の役目。
リシェールの性能に任せて魔物の群れに突っ込む。
リシェールの剣は重さが無いから、浅い傷しか与えられない。
だから、光を付与した剣で皮膚を切り、剥き出しになった魔石に剣を突き刺す。
魔物はキラキラとエフェクトを残して消えて消滅する。
これならば行ける!
ウェルナート様が時間を掛けて作り出した魔力塊は物凄くて、一気に殲滅出来そうだった。
邪魔にならないように跳び退く。
…その時だった、ウェルナート様が真っ黒な魔力に包まれて消えてしまった。
「ウェルナート様ぁっ!!」
な、何が起こった?
でも立ち止まるわけには行かない。
剣に光を付与しなおし、もう一度魔物の群れに突っ込む。
切り裂いては刺し……。
どれぐらい経ったのか、時間の感覚が掴めないぐらいそうしていた。
「あと……半分…。」
もうフラフラだ、多分魔力切れを起こしかけているんだろう。
肩で息をしながら、城門に辿り着く。
多分魔物が居るとしたら後は中庭ぐらい?
魔物の血を払うように剣を振り、次に備える。
一人でもサフィを取り返さないと。
ここに来たのが無意味になってしまうから。
「止まれ、リシェール王子。」
上から男の低い声が掛けられてバルコニーを見上げると、金の瞳の黒髪の、ジェイよりもデカイ男の姿。
衣装も真っ黒だ。
この人が皇帝?
「ウェルナート様を何処にやったんですか?」
「怖い顔をするな。奴は元居た場所に戻っただけの事。」
「っ…!?」
も、もしかして、僕取り残された!?
…でもそうしたら、あの人は安全だと言う事になる。
それだけは安堵が出来た。
こんな時なのに、微かに笑みが漏れてしまう。
「剣を捨てて投降せよ、リシェール。」
冗談じゃない。
攻撃が効くならこのまま行けるかもしれないのに。
「これを見よ…。」
城門が開くと、何かミミズみたいな大きめの魔物の姿が目に入る。
その魔物に囚われていたのは……サフィだった。
サフィは全裸で、身体中にその魔物が這い、今にもサフィの後孔に入りそうになっている。
「さ、サフィ…!」
「ひゃ…あにう…ぇ…ごめんなさ…!」
僕は剣を落とすしかなかった。
少し後皇帝が近付いて来る。
顎を掴まれて上を向かされる。
僕に出来るのは睨み付ける事しかない。
面白そうに薄い笑みを浮かべる皇帝。
「ふ…っ!?」
唇が塞がれてしまう。
舌が遠慮無く入って来る。
舌を噛むのはさすがに怖いから、唇に噛み付く。
「ふふ……面白いぞリシェール!」
皇帝は僕が噛んだ唇から僅かに出た血を指に取ると、僕の唇に塗りつけて来る。
「紅でも差しているようだな…。」
殴られるかと思ったけど、楽しませたらしい。
急に黒い靄に巻き付かれて縛られてしまった。
これが闇の魔力?
「リシェールに夜伽の準備をさせよ。」
僕はそのまま側近に引き渡されてしまった。
光を付与しようとしてみたけど全く発動しない。
この戒めのせいなんだろう。
そうだ、とサフィを見ると、意識を失ってさっきの魔物(触手って言うらしい)に吊るされていただけで、それ以上はされていない様子だった。
大きく息を吐いて安堵した。
これが闇の魔力?
ウェルナート様と一緒に進んでいく。
僕が光を付与しても普通の人間の攻撃は通らないということなので、兵を進軍させても無駄死にさせる。
だから、二人だけで乗り込むしか無かった。
本当はウェルナート様には、自分の国の事では無いから来て欲しくなかった。
僕のせいで危ない目に合わせるのは嫌だった。
『一緒に居たい』と言われてしまうと、それ以上は言えなかった。
ウェルナート様は媒体にし易い杖を手にしているので、それに僕が光を付与している。
遠くに城が見える。
その前には闇の魔物と呼ばれるクリーチャーが、城を守るようにうじゃうじゃ居る…グロイ…。
ウェルナート様が先に、火魔法を発動する。
光の付与をしたため、発光する炎が構築された。
いいなぁ、カッコいい!
この世界に居る間に一度は使ってみたかった…。
ウェルナート様が大群に撃ち込むと、視界内の魔物が灼けて溶けていく。
チートって言ってたけど本当だよね。
ウェルナート様にばかり任せていてはいけない。
少しずつ城に近付くと多分気付かれたのだろう、尋常じゃない数の魔物の群れが城門前に居た。
ウェルナート様が詠唱に入る、強烈な魔法を作り出すまでの時間。
その隙を埋めるのが僕の役目。
リシェールの性能に任せて魔物の群れに突っ込む。
リシェールの剣は重さが無いから、浅い傷しか与えられない。
だから、光を付与した剣で皮膚を切り、剥き出しになった魔石に剣を突き刺す。
魔物はキラキラとエフェクトを残して消えて消滅する。
これならば行ける!
ウェルナート様が時間を掛けて作り出した魔力塊は物凄くて、一気に殲滅出来そうだった。
邪魔にならないように跳び退く。
…その時だった、ウェルナート様が真っ黒な魔力に包まれて消えてしまった。
「ウェルナート様ぁっ!!」
な、何が起こった?
でも立ち止まるわけには行かない。
剣に光を付与しなおし、もう一度魔物の群れに突っ込む。
切り裂いては刺し……。
どれぐらい経ったのか、時間の感覚が掴めないぐらいそうしていた。
「あと……半分…。」
もうフラフラだ、多分魔力切れを起こしかけているんだろう。
肩で息をしながら、城門に辿り着く。
多分魔物が居るとしたら後は中庭ぐらい?
魔物の血を払うように剣を振り、次に備える。
一人でもサフィを取り返さないと。
ここに来たのが無意味になってしまうから。
「止まれ、リシェール王子。」
上から男の低い声が掛けられてバルコニーを見上げると、金の瞳の黒髪の、ジェイよりもデカイ男の姿。
衣装も真っ黒だ。
この人が皇帝?
「ウェルナート様を何処にやったんですか?」
「怖い顔をするな。奴は元居た場所に戻っただけの事。」
「っ…!?」
も、もしかして、僕取り残された!?
…でもそうしたら、あの人は安全だと言う事になる。
それだけは安堵が出来た。
こんな時なのに、微かに笑みが漏れてしまう。
「剣を捨てて投降せよ、リシェール。」
冗談じゃない。
攻撃が効くならこのまま行けるかもしれないのに。
「これを見よ…。」
城門が開くと、何かミミズみたいな大きめの魔物の姿が目に入る。
その魔物に囚われていたのは……サフィだった。
サフィは全裸で、身体中にその魔物が這い、今にもサフィの後孔に入りそうになっている。
「さ、サフィ…!」
「ひゃ…あにう…ぇ…ごめんなさ…!」
僕は剣を落とすしかなかった。
少し後皇帝が近付いて来る。
顎を掴まれて上を向かされる。
僕に出来るのは睨み付ける事しかない。
面白そうに薄い笑みを浮かべる皇帝。
「ふ…っ!?」
唇が塞がれてしまう。
舌が遠慮無く入って来る。
舌を噛むのはさすがに怖いから、唇に噛み付く。
「ふふ……面白いぞリシェール!」
皇帝は僕が噛んだ唇から僅かに出た血を指に取ると、僕の唇に塗りつけて来る。
「紅でも差しているようだな…。」
殴られるかと思ったけど、楽しませたらしい。
急に黒い靄に巻き付かれて縛られてしまった。
これが闇の魔力?
「リシェールに夜伽の準備をさせよ。」
僕はそのまま側近に引き渡されてしまった。
光を付与しようとしてみたけど全く発動しない。
この戒めのせいなんだろう。
そうだ、とサフィを見ると、意識を失ってさっきの魔物(触手って言うらしい)に吊るされていただけで、それ以上はされていない様子だった。
大きく息を吐いて安堵した。
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