こぼれ話(人はこもごも)

志乃さんの妹たち(2)

志乃さんの妹のすみちゃんは、会社に勤めることを強く望んだ。

家族はそれに猛反対した。
当時の価値観では「会社に勤めた娘は、結婚できない」だったからだ。
すごいでしょ～
戦前だからね。

しかも、すみちゃんは器量良し、性格よし、働き者だったから、あちこちの資産家から嫁にほしいと言われていた。

しかし、それを振りきって、すみちゃんは働きに出た。化粧品の会社である。
ご夫婦で粉を引いて化粧品を売り、会社を育てあげ、奥様もバリバリ働いていた。だからオッケーでたのかな？


社長の奥様はとある宗教の信者だった。毎月なんかの会合があって、信者やご近所さんに鶏一羽ずつ配る大盤振る舞い。建物とか立派なの建てちゃって。
すみちゃんもお手伝いはしてたけど、特にその宗教には興味なかった。

そして、その奥様の身内の男性と、すみちゃんは恋愛結婚する。
なんかうまい具合にその旦那さまも宗教の信者じゃなかった。


その宗教は徳太郎さんのと同じ、お布施ガッポリもらいまっせー、の悪名高い宗教だった。
なかなかの熱心な信者さんだったし、会社が大きくなったのはその宗教のおかげ、とまで言っていた社長の奥様。
ご高齢になり、病気になると「宗教は頼りにならない。私は医者を頼る。」と、その宗教を捨ててしまった。
そこも徳太郎さんと一緒か～


余談でした。
まあ、とにかく、すみちゃんは恋愛結婚だったのよ。小さい私からみても仲良しなおじちゃんおばちゃんだったよ。