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7 お化け屋敷と空中ブランコ
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「お客様ー、安全バーを上げてください」
さながら、店員のふりをした柚子が、甲高い声で言った。
その物まねを見て、乙葉は思わず吹き出した。
「あはは、似てる」
「滑らないように、足元にお気をつけくださいね」
柚子は続けて、店員のふりをした。
ルーカスも乙葉とおなじく、柚子の物まねを見て、楽しそうに笑っている。
「お客様、どうされたんですか? はやくおりてください。時間ですよ」
柚子が言った。
乙葉とルーカスは、お腹を抱えて笑っているため、中々ブランコからおりようとしなかった。
それを見た柚子は、
「二人とも、はやくおりてよ。私も乗りたいんだから」と、不満があるような声で言った。
「だって、笑ってお腹痛い……」
笑いすぎて涙が出た乙葉は、流れてきた涙を、指でぬぐいながら言った。
それから、ひとしきり笑ったあと、乙葉とルーカスの二人は、ようやく落ち着きを取り戻し、ブランコからおりた。
「はい。じゃあ、次は私の番ね」
待ってましたと言わんばかりの顔をして、柚子が言った。
乙葉はそんな柚子を見て、苦笑すると、
「今度は私が運転するから、ルーカスも一緒に乗ってきたら?」と言った。
「え⁉︎ 僕、もう一回乗っていいの?」
ルーカスが目を輝かせながら言った。
「もちろん、いいわよ」
笑顔で乙葉が言った。
「ひゃっほー! 乙葉、ありがとう」
そう言うと、突然、ルーカスは乙葉に抱きついた。
そんな無邪気によろこぶルーカスを見て、乙葉は思わず、顔をほころばせた。
しかし、あまりにキツく抱きしめられたため、
「ルーカス、苦しい。離して」と、乙葉は言った。
さながら、店員のふりをした柚子が、甲高い声で言った。
その物まねを見て、乙葉は思わず吹き出した。
「あはは、似てる」
「滑らないように、足元にお気をつけくださいね」
柚子は続けて、店員のふりをした。
ルーカスも乙葉とおなじく、柚子の物まねを見て、楽しそうに笑っている。
「お客様、どうされたんですか? はやくおりてください。時間ですよ」
柚子が言った。
乙葉とルーカスは、お腹を抱えて笑っているため、中々ブランコからおりようとしなかった。
それを見た柚子は、
「二人とも、はやくおりてよ。私も乗りたいんだから」と、不満があるような声で言った。
「だって、笑ってお腹痛い……」
笑いすぎて涙が出た乙葉は、流れてきた涙を、指でぬぐいながら言った。
それから、ひとしきり笑ったあと、乙葉とルーカスの二人は、ようやく落ち着きを取り戻し、ブランコからおりた。
「はい。じゃあ、次は私の番ね」
待ってましたと言わんばかりの顔をして、柚子が言った。
乙葉はそんな柚子を見て、苦笑すると、
「今度は私が運転するから、ルーカスも一緒に乗ってきたら?」と言った。
「え⁉︎ 僕、もう一回乗っていいの?」
ルーカスが目を輝かせながら言った。
「もちろん、いいわよ」
笑顔で乙葉が言った。
「ひゃっほー! 乙葉、ありがとう」
そう言うと、突然、ルーカスは乙葉に抱きついた。
そんな無邪気によろこぶルーカスを見て、乙葉は思わず、顔をほころばせた。
しかし、あまりにキツく抱きしめられたため、
「ルーカス、苦しい。離して」と、乙葉は言った。
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