221 / 256
7 お化け屋敷と空中ブランコ
6
しおりを挟む
たしかに、京一の言うとおりだ。でも、こわいものはこわい。できれば、いますぐにでも、逃げ出したいくらいだ。
しかし、この遊園地には乙葉がいる。それに、京一は乙葉をめぐった、恋敵かもしれない相手だ。そんな相手にだけ、いい格好をさせるわけにはいかない。
そう思った久遠は、ついに覚悟を決めた。
「そうでしたね、鍵探しですよね。すみません、つい目的を忘れていました。まったく、僕はなにを言っているんだか」
久遠は無理をして、なるべく平常心を保ちながら言った。
「よかった、いきなり、目的とはちがうことを言い出すから、おどろいたぞ」
安心したように、京一が言った。
「それじゃ、気を取り直して、目的地に向かうとするか」
そう言うと、京一は、久遠の肩から手を離して、先に進みはじめた。
久遠はそんな京一の背中を見ながら、ここはひとつ、夕方帰った時に乙葉にいい報告をするためにも、お化け屋敷に行こうと、あらためてそう決心した。
「おーい、久遠」
すでに遠くの方に行っていた京一が、久遠を呼んだ。
「なにしてんだ、はやくこいよ」
「はい、いま行きます!」
久遠は、京一のあとを走って追いかけた。
そして久遠は心の中で、京一に負けてなるものか、と強く思い、ひたすら闘志を燃やした。
♢♢♢
しかし、この遊園地には乙葉がいる。それに、京一は乙葉をめぐった、恋敵かもしれない相手だ。そんな相手にだけ、いい格好をさせるわけにはいかない。
そう思った久遠は、ついに覚悟を決めた。
「そうでしたね、鍵探しですよね。すみません、つい目的を忘れていました。まったく、僕はなにを言っているんだか」
久遠は無理をして、なるべく平常心を保ちながら言った。
「よかった、いきなり、目的とはちがうことを言い出すから、おどろいたぞ」
安心したように、京一が言った。
「それじゃ、気を取り直して、目的地に向かうとするか」
そう言うと、京一は、久遠の肩から手を離して、先に進みはじめた。
久遠はそんな京一の背中を見ながら、ここはひとつ、夕方帰った時に乙葉にいい報告をするためにも、お化け屋敷に行こうと、あらためてそう決心した。
「おーい、久遠」
すでに遠くの方に行っていた京一が、久遠を呼んだ。
「なにしてんだ、はやくこいよ」
「はい、いま行きます!」
久遠は、京一のあとを走って追いかけた。
そして久遠は心の中で、京一に負けてなるものか、と強く思い、ひたすら闘志を燃やした。
♢♢♢
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる