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7 お化け屋敷と空中ブランコ
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——南側——
「ねえ柚子、どうして、そんなに落ち込んでるのよ」
乙葉が、けげんに思いながら言った。
「別に? 落ち込んでなんかないわ」
平静を装うように、柚子が言った。
「うそ、誰がどう見たって、落ち込んでるじゃない」
乙葉はしつこく疑うと、ルーカスを見て、
「ねえ、ルーカス?」と言った。
「僕に聞かないでよ」
ルーカスは迷惑そうに言った。
「気のせいじゃない?」
柚子はあくまでも、シラを切るつもりのようだった。
乙葉はそんな柚子を見て、思わず顔をしかめた。そして、すぐにハッとした顔になると、
「まあ、わかったわ! 柚子、あなた、ストレスがたまってるんでしょ?」と言った。
「せっかく遊園地にきてるのに、まだ観覧車にしか、乗り物に乗れてないから」
そうにちがいないと思いながら、続けて乙葉が言った。
「え?」
柚子はなんのことだと言わんばかりの顔をしているが、乙葉はおかまいなしに、
「私にもその気持ち、わかるわよ。だってもう観覧車に乗ってから、ずっと鍵探しの連続で、楽しいことなんていまのところ、ほとんどないもの。無理もないわ」と、同情して言った。
「ちょっと、お姉ちゃん。勝手に決めつけないでよ」
柚子が文句を言った。
しかし、乙葉はもう、柚子がなにを言っても、そうとしか思えずに、
「ここは三百六十度、どこを見ても、誘惑が広がっているものね。それを見ないふりして、鍵探しだけしろっていう方が、むしろ難しいわよね」と、首を縦にふりながら言った。
「ねえ、さっきから人の話、ちゃんと聞いてる?」
「ねえ柚子、どうして、そんなに落ち込んでるのよ」
乙葉が、けげんに思いながら言った。
「別に? 落ち込んでなんかないわ」
平静を装うように、柚子が言った。
「うそ、誰がどう見たって、落ち込んでるじゃない」
乙葉はしつこく疑うと、ルーカスを見て、
「ねえ、ルーカス?」と言った。
「僕に聞かないでよ」
ルーカスは迷惑そうに言った。
「気のせいじゃない?」
柚子はあくまでも、シラを切るつもりのようだった。
乙葉はそんな柚子を見て、思わず顔をしかめた。そして、すぐにハッとした顔になると、
「まあ、わかったわ! 柚子、あなた、ストレスがたまってるんでしょ?」と言った。
「せっかく遊園地にきてるのに、まだ観覧車にしか、乗り物に乗れてないから」
そうにちがいないと思いながら、続けて乙葉が言った。
「え?」
柚子はなんのことだと言わんばかりの顔をしているが、乙葉はおかまいなしに、
「私にもその気持ち、わかるわよ。だってもう観覧車に乗ってから、ずっと鍵探しの連続で、楽しいことなんていまのところ、ほとんどないもの。無理もないわ」と、同情して言った。
「ちょっと、お姉ちゃん。勝手に決めつけないでよ」
柚子が文句を言った。
しかし、乙葉はもう、柚子がなにを言っても、そうとしか思えずに、
「ここは三百六十度、どこを見ても、誘惑が広がっているものね。それを見ないふりして、鍵探しだけしろっていう方が、むしろ難しいわよね」と、首を縦にふりながら言った。
「ねえ、さっきから人の話、ちゃんと聞いてる?」
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