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6 久遠類の恋心
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「えー、そんな人いるかなあ」
結衣は眉根をひそめた。
「絶対にいるわよ。だって、世界は広いんだもの」
きっぱりと乙葉は言い切った。
「そもそも、そんな状況が実際にあったら、こわいけどね」
莉子が苦笑しながら言った。
「たしかに」
そんな莉子を見て、結衣は笑った。
「なんか本当、乙葉の好みって、変わってるよね」
莉子が言った。
この時、久遠は記憶の中に、乙葉の好きなタイプを、しっかりと刻みつけようとしていた。
(強い人……。倉本さんの好きなタイプは強い人……)
繰り返し頭の中でとなえた。
(がんばれば、僕も倉本さんに認めてもらえるような、強い人になれるだろうか)
久遠は少しだけ、希望を抱きはじめていた。
もしかしたら自分も、体を鍛えて強くなりさえすれば、あの憧れの乙葉と付き合えるかもしれない、と。
しかし、問題は京一との関係だ。
二人の関係は結局のところ、はっきりはしていない。本人はちがうと言っているが、友達二人もまだうたがっている。
だから、付き合っている可能性は、けっしてゼロではない。気軽に家にいくほどの仲なのだ。そんなこと、かなり深い関係ではないと、普通できないはずだ。
そう思うと、胸がずきりと痛んだ。
しかし、まだ望みを失ったわけではない。
こうなれば、乙葉に直接聞いて、きちんと真相をたしかめたい。それはとてつもなく勇気がいることだが、先ほどの話を偶然聞いたことにすれば、きっと自然に聞ける。
結衣は眉根をひそめた。
「絶対にいるわよ。だって、世界は広いんだもの」
きっぱりと乙葉は言い切った。
「そもそも、そんな状況が実際にあったら、こわいけどね」
莉子が苦笑しながら言った。
「たしかに」
そんな莉子を見て、結衣は笑った。
「なんか本当、乙葉の好みって、変わってるよね」
莉子が言った。
この時、久遠は記憶の中に、乙葉の好きなタイプを、しっかりと刻みつけようとしていた。
(強い人……。倉本さんの好きなタイプは強い人……)
繰り返し頭の中でとなえた。
(がんばれば、僕も倉本さんに認めてもらえるような、強い人になれるだろうか)
久遠は少しだけ、希望を抱きはじめていた。
もしかしたら自分も、体を鍛えて強くなりさえすれば、あの憧れの乙葉と付き合えるかもしれない、と。
しかし、問題は京一との関係だ。
二人の関係は結局のところ、はっきりはしていない。本人はちがうと言っているが、友達二人もまだうたがっている。
だから、付き合っている可能性は、けっしてゼロではない。気軽に家にいくほどの仲なのだ。そんなこと、かなり深い関係ではないと、普通できないはずだ。
そう思うと、胸がずきりと痛んだ。
しかし、まだ望みを失ったわけではない。
こうなれば、乙葉に直接聞いて、きちんと真相をたしかめたい。それはとてつもなく勇気がいることだが、先ほどの話を偶然聞いたことにすれば、きっと自然に聞ける。
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