172 / 256
5 ドキドキ観覧車
41
しおりを挟む
「うーん……でも、なんか現実離れしてて、やっぱりすぐには信じられない」
口をとがらせながら柚子が言った。
「まあ、それはそうよね」
乙葉が共感しながら言った。
「でも私、あの子が普通の子じゃなくて、めちゃくちゃ変わった男の子だっていうことは、なんとなくわかったわ」
納得したように柚子が言った。
「まあ、とりあえず安心して。ルーカスは、私たちの味方だから」
笑顔で乙葉が言った。
「味方? 味方がいるってことは、この遊園地には、敵もいるってこと?」
まさか、とでもいうような顔をして、柚子が鋭く聞いた。
「実は、そうなの」
視線を落として乙葉が言った。
「この遊園地には、バーサークっていう敵もいるの。バーサークは、夜にだけこの遊園地を巡回して、人を見つけるとすぐに殺してしまう、とんでもない殺人鬼よ。だから、夜だけは絶対に出歩かないで」
さきほどまでの顔とは打って変わって、真剣な表情で乙葉が言った。
「なにそれ、そんなこと言われたら私、急にこわくなってきたわ」
柚子は焦った様子でそう言うと、突然、顔を曇らせ、
「なにか、本当におそろしいところにきちゃったみたいね……」と言った。
「落ち込んでいても仕方ないわよ。とにかく前向きに、外に出られるようにがんばりましょう」
そう言うと乙葉は、柚子の肩を、安心させるように何度かポンポンと叩いた。
「うん」
それで本当に安心したのか、柚子の顔は元の表情にもどった。
二人はそれから、小屋にもどった。
すると、なにやらルーカスと久遠の二人が、小屋の中でドタバタと騒がしくしているようだった。
「ルーカスさん! それ、僕のなんですから、返してくださいよー!」
なにやら、久遠が必死になってうったえながら、ルーカスを追いかけている。
口をとがらせながら柚子が言った。
「まあ、それはそうよね」
乙葉が共感しながら言った。
「でも私、あの子が普通の子じゃなくて、めちゃくちゃ変わった男の子だっていうことは、なんとなくわかったわ」
納得したように柚子が言った。
「まあ、とりあえず安心して。ルーカスは、私たちの味方だから」
笑顔で乙葉が言った。
「味方? 味方がいるってことは、この遊園地には、敵もいるってこと?」
まさか、とでもいうような顔をして、柚子が鋭く聞いた。
「実は、そうなの」
視線を落として乙葉が言った。
「この遊園地には、バーサークっていう敵もいるの。バーサークは、夜にだけこの遊園地を巡回して、人を見つけるとすぐに殺してしまう、とんでもない殺人鬼よ。だから、夜だけは絶対に出歩かないで」
さきほどまでの顔とは打って変わって、真剣な表情で乙葉が言った。
「なにそれ、そんなこと言われたら私、急にこわくなってきたわ」
柚子は焦った様子でそう言うと、突然、顔を曇らせ、
「なにか、本当におそろしいところにきちゃったみたいね……」と言った。
「落ち込んでいても仕方ないわよ。とにかく前向きに、外に出られるようにがんばりましょう」
そう言うと乙葉は、柚子の肩を、安心させるように何度かポンポンと叩いた。
「うん」
それで本当に安心したのか、柚子の顔は元の表情にもどった。
二人はそれから、小屋にもどった。
すると、なにやらルーカスと久遠の二人が、小屋の中でドタバタと騒がしくしているようだった。
「ルーカスさん! それ、僕のなんですから、返してくださいよー!」
なにやら、久遠が必死になってうったえながら、ルーカスを追いかけている。
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる