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5 ドキドキ観覧車

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 不可解な面持ちで乙葉はつぶやいた。
 しかし、理由を考えるよりも、本人から直接、話を聞いた方がはやいと思い、乙葉はひとまず先に、寝ている柚子を起こすことにした。
「柚子、起きて」
 乙葉は地面にひざをつけ、柚子の体をゆすった。
「う……ううん……」
 顔をしかめながら唸ると、柚子はパッと目を開けた。
 すると、乙葉と柚子の目がちょうど合った。
「柚子」
 乙葉が言った。
「お姉……ちゃん……?」
 目を見開きながら、柚子が確認するように言った。
「そうよ」
 微笑んで乙葉が答えた。
「——お姉ちゃん!」
 嬉しそうに大きな声でいうと、柚子は飛び起きて、乙葉に抱きついた。
「やっと見つけた! よかったあ。ずっと探してたのよ」
 柚子は乙葉を見つけることができてよほど嬉しいのか、興奮した様子でそう言った。
 そして、急に勢いよく乙葉からはなれると、
「大丈夫? ケガはない?」と、早口で言った。
「待って、それはこっちのセリフよ。柚子こそ、どこかケガしてない?」
 呆れながら乙葉が言ったあと、ふいに柚子のひざを見ると、
「あ、やっぱり、ケガしてるじゃない。でも、ちゃんと手当てしてあるのね。もしかして、久遠くんがやってくれたの?」と言った。
「うん、そう」
 柚子が言った。
「そっかあ。久遠くん、意外と頼もしいのね」
 感心しながら乙葉が言った。
「お姉ちゃん、それよりも、京一くんはどこ?」
 周りを見まわしながら柚子が言った。
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