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5 ドキドキ観覧車
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目をそらしながら、指をさして久遠に教えた。
「うわっ、これはびっくりですね」
ピエロの顔を見て、目を丸くしながら久遠が言った。
「次からは物にぶつからないように、気をつけながら歩きましょう」
「はい」
柚子が返事をした。
そして二人は、ふたたび歩きはじめた。柚子が足元に注意しながら、慎重にすすんでいると、なにやら目の前に、カラフルな乗りものがあらわれた。
「メリーゴーランドだ!」
そう言うと、柚子はそのメリーゴーランドの近くまで走っていき、珍しそうにまじまじと見た。
ところどころ、塗装がはがれていて、少々ボロくなってはいるけれど、馬や馬車の原形はまだ保たれていて、とてもきれいな見た目をしていた。柚子はその乗りものを前にして、乙葉と京一を探す目的があることを一時忘れて、つい見入ってしまっていた。
「ねえ、久遠さん。このメリーゴーランド、壊れてるけど、なんだかすごくきれいじゃないですか?」
柚子が言った。
しかし、なぜか久遠からなにも返答がない。
「久遠さん?」
不思議に思って久遠のいる方を見ると、久遠は突然、柚子の目の前で倒れた。
「えっ、久遠さん⁉︎」
柚子はとっさに、倒れた久遠がいる場所まで走っていき、近づいて声をかけた。
「久遠さん! 大丈夫ですか⁉︎ 久遠さん!」
大きな声で呼びかけたり、体をゆすってみるが、久遠はまったく起きない。
まさか死んでいるのではと思いながら、柚子は焦って、久遠の胸に耳を当てた。そして耳をすましながら、おそるおそる心臓の音を確認した。
すると久遠の心臓から、ドクン、ドクン……と、続けざまに音が聞こえてきた。それで心臓がきちんと動いていることがわかり、柚子は心の底から安心した気持ちになった。
でも、突然倒れるなんて、一体どうしたというのだろうか。久遠が倒れるようなできごとなんて、なにも起こっていないはずなのに。
「うわっ、これはびっくりですね」
ピエロの顔を見て、目を丸くしながら久遠が言った。
「次からは物にぶつからないように、気をつけながら歩きましょう」
「はい」
柚子が返事をした。
そして二人は、ふたたび歩きはじめた。柚子が足元に注意しながら、慎重にすすんでいると、なにやら目の前に、カラフルな乗りものがあらわれた。
「メリーゴーランドだ!」
そう言うと、柚子はそのメリーゴーランドの近くまで走っていき、珍しそうにまじまじと見た。
ところどころ、塗装がはがれていて、少々ボロくなってはいるけれど、馬や馬車の原形はまだ保たれていて、とてもきれいな見た目をしていた。柚子はその乗りものを前にして、乙葉と京一を探す目的があることを一時忘れて、つい見入ってしまっていた。
「ねえ、久遠さん。このメリーゴーランド、壊れてるけど、なんだかすごくきれいじゃないですか?」
柚子が言った。
しかし、なぜか久遠からなにも返答がない。
「久遠さん?」
不思議に思って久遠のいる方を見ると、久遠は突然、柚子の目の前で倒れた。
「えっ、久遠さん⁉︎」
柚子はとっさに、倒れた久遠がいる場所まで走っていき、近づいて声をかけた。
「久遠さん! 大丈夫ですか⁉︎ 久遠さん!」
大きな声で呼びかけたり、体をゆすってみるが、久遠はまったく起きない。
まさか死んでいるのではと思いながら、柚子は焦って、久遠の胸に耳を当てた。そして耳をすましながら、おそるおそる心臓の音を確認した。
すると久遠の心臓から、ドクン、ドクン……と、続けざまに音が聞こえてきた。それで心臓がきちんと動いていることがわかり、柚子は心の底から安心した気持ちになった。
でも、突然倒れるなんて、一体どうしたというのだろうか。久遠が倒れるようなできごとなんて、なにも起こっていないはずなのに。
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