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5 ドキドキ観覧車
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「倉本さんが心配だったんですね。さすがです」
久遠がほめた。
「でも僕、むりを承知でお願いしたことだったので、まさか本当にきていただけるとは、思いもしませんでした。だからいま、とてもうれしい気持ちでいっぱいです」
そう言うと、久遠は笑った。
「あの、ところで確認なんですけど、当然、なにか策はあるんですよね」
あって当然くらいの調子で、柚子が尋ねた。
「策? なんのことですか?」
久遠は首をかしげた。
「とぼけないでください」
はっきりと柚子が言った。
「なにか廃墟の遊園地から出られる、自信のある策があるから、私を誘ってくれたんでしょう?」
柚子がそう聞いても、久遠はなんのことだと言わんばかりの顔をしている。
そんな久遠を見た柚子は、急にいやな予感が、胸の底からわき上がってくるようだった。
「いいえ、なにもありませんよ」
久遠は断言した。
「はい? なにもない?」
柚子の声は、思わずうわずった。いやな予感は的中したようだ。
「はい。ただ、僕はじっとしてなにもしないよりかはましだと思って、いこうと決意しただけです。警察だって、立ち入り禁止区域までは、入ろうとしないじゃないですか、だから」
久遠が平然とそう言った。
「えっ!」
おどろいて柚子が言った。
(なにを普通に言ってるの? この人は。なんの策もないのに、どうしてあんな、危ない場所にいこうと思えるの)
柚子は久遠に、いま思っていることをすべて吐き出して、さけんでやりたい気持ちにかられた。
(どうしよう。やっぱり帰ろうかな)
急に不安になった柚子は、ついに迷いが生じた。
「どうしたんですか、柚子さん」
久遠がほめた。
「でも僕、むりを承知でお願いしたことだったので、まさか本当にきていただけるとは、思いもしませんでした。だからいま、とてもうれしい気持ちでいっぱいです」
そう言うと、久遠は笑った。
「あの、ところで確認なんですけど、当然、なにか策はあるんですよね」
あって当然くらいの調子で、柚子が尋ねた。
「策? なんのことですか?」
久遠は首をかしげた。
「とぼけないでください」
はっきりと柚子が言った。
「なにか廃墟の遊園地から出られる、自信のある策があるから、私を誘ってくれたんでしょう?」
柚子がそう聞いても、久遠はなんのことだと言わんばかりの顔をしている。
そんな久遠を見た柚子は、急にいやな予感が、胸の底からわき上がってくるようだった。
「いいえ、なにもありませんよ」
久遠は断言した。
「はい? なにもない?」
柚子の声は、思わずうわずった。いやな予感は的中したようだ。
「はい。ただ、僕はじっとしてなにもしないよりかはましだと思って、いこうと決意しただけです。警察だって、立ち入り禁止区域までは、入ろうとしないじゃないですか、だから」
久遠が平然とそう言った。
「えっ!」
おどろいて柚子が言った。
(なにを普通に言ってるの? この人は。なんの策もないのに、どうしてあんな、危ない場所にいこうと思えるの)
柚子は久遠に、いま思っていることをすべて吐き出して、さけんでやりたい気持ちにかられた。
(どうしよう。やっぱり帰ろうかな)
急に不安になった柚子は、ついに迷いが生じた。
「どうしたんですか、柚子さん」
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