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4 妹の決断

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「別に、なにもあやしくないわよ」
 すぐに乙葉が否定した。
「ふーん、そっかあ」
 相変わらず、ルーカスはなにかを疑っているようだったが、乙葉はあえて、気づかないふりをした。
「あ、京一ー!」
 そう言うと、ルーカスはどこかに向かって、飛んでいった。
 乙葉はルーカスが飛んでいった先を見ると、そこには本当に、京一がいた。
 京一は鉄の棒を持ち、上半身裸で、素振すぶりをしているようだった。
「京一!」
 ルーカスに呼ばれ、京一は素振りを止めると、
「ああ、ルーカス。やっと起きたんだな」と言った。
「なにやってるの?」
 ルーカスが尋ねた。
 京一は額にかいた汗を、地面に置いてあったタオルでぬぐうと、
「素振りだよ」と答えた。
「素振り? なにそれ」
 不思議そうに、ルーカスが言った。
「練習のために、相手なしで、刀や棒をふることだよ」
 京一が言った。
「ふーん」
 ルーカスは興味なさそうに言った。
「おいおい、人に聞いといてそれかよ」
 京一は、ルーカスの反応がうすいことを、不満げに言った。
 そんな二人の元に、乙葉が遅れてやってきた。
「京一、おはよう」
「おはよう、じゃねーよ」
 説教するように京一が言った。
「いま何時だと思っているんだ? いくらなんでも寝すぎだ。そんなことだと、また夜に眠れなくなるぞ」
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