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4 妹の決断
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「どこへ行く! ちょこまか逃げるのはやめて、いいかげん、大人しくつかまったらどうだ」
後ろで、バーサークが言った。
真っ暗でなにも見えないため、乙葉は手さぐりで、物をよけながらすすむことにした。
それから順調にすすんでいたのだが、途中、足に鉄の棒のような物があたり、激痛がはしった。
「いったあい……」
乙葉は泣きべそをかきながら、しゃがんで痛む足をおさえた。
「さあさあ、はやく出てこい」
バーサークは歩いているようだったが、どうやら物をよけている乙葉とちがって、物をあちこちに蹴飛ばしながら、だんだんと、こちらに近づいてきているのがわかった。物がいたるところで、ガラガラガッシャン、という大きな音を立てて、下におちている。
(いたい……いたいけど、走らないとバーサークがくる)
痛む足をなんとかごまかしながら、乙葉は足を引きずって、出口を目指した。
すると少し先に、かすかな光が、扉からもれているのが見えた。
「出口だわ!」
ゆっくりとだが、乙葉は出口までいき、扉を開けた。
そして、外に出て扉をしめると、その場にへたり込んだ。
「もう歩けない……」
このままここにいたら、それほど時間がかからずに、バーサークが扉から出てきて、乙葉を見つけて殺してしまうだろう。しかし、足は動かない。たとえはいずっていったとしても、すぐに追いつかれてしまうにちがいない。乙葉は頭の中が真っ白になった。
もう、これまでなのだろうか。まだ十七歳の若さで、死んでしまうのか。
後ろ向きな考えが頭をよぎる。
「いや、追いつかれてもいいから、はいずってでもいこう」
まるで赤ん坊のように手を使って、乙葉は地面をはった。
とにかくバーサークから逃げるために、必死だった。
なんとか五メートルくらい進んだところで、後ろの扉がひらく音がした。
止まって後ろを振り向くと、バーサークが仁王立ちをして、こちらを見ているのが目に入った。そして持っていたライトは、どこかに置かれ、かわりに柄のながい鉄の、大きなハンマーを手にしていた。あんな物で殴られたら、ひとたまりもない。
後ろで、バーサークが言った。
真っ暗でなにも見えないため、乙葉は手さぐりで、物をよけながらすすむことにした。
それから順調にすすんでいたのだが、途中、足に鉄の棒のような物があたり、激痛がはしった。
「いったあい……」
乙葉は泣きべそをかきながら、しゃがんで痛む足をおさえた。
「さあさあ、はやく出てこい」
バーサークは歩いているようだったが、どうやら物をよけている乙葉とちがって、物をあちこちに蹴飛ばしながら、だんだんと、こちらに近づいてきているのがわかった。物がいたるところで、ガラガラガッシャン、という大きな音を立てて、下におちている。
(いたい……いたいけど、走らないとバーサークがくる)
痛む足をなんとかごまかしながら、乙葉は足を引きずって、出口を目指した。
すると少し先に、かすかな光が、扉からもれているのが見えた。
「出口だわ!」
ゆっくりとだが、乙葉は出口までいき、扉を開けた。
そして、外に出て扉をしめると、その場にへたり込んだ。
「もう歩けない……」
このままここにいたら、それほど時間がかからずに、バーサークが扉から出てきて、乙葉を見つけて殺してしまうだろう。しかし、足は動かない。たとえはいずっていったとしても、すぐに追いつかれてしまうにちがいない。乙葉は頭の中が真っ白になった。
もう、これまでなのだろうか。まだ十七歳の若さで、死んでしまうのか。
後ろ向きな考えが頭をよぎる。
「いや、追いつかれてもいいから、はいずってでもいこう」
まるで赤ん坊のように手を使って、乙葉は地面をはった。
とにかくバーサークから逃げるために、必死だった。
なんとか五メートルくらい進んだところで、後ろの扉がひらく音がした。
止まって後ろを振り向くと、バーサークが仁王立ちをして、こちらを見ているのが目に入った。そして持っていたライトは、どこかに置かれ、かわりに柄のながい鉄の、大きなハンマーを手にしていた。あんな物で殴られたら、ひとたまりもない。
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