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4 妹の決断

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 おずおずと久遠が言った。
「もちろんいいですよ。その方が、姉もよろこぶと思います」
 柚子が言った。
「ありがとうございます。それじゃあ、またきます」
 そう言うと、久遠はさっていった。
 その様子を目で追ったあと、柚子は扉をあけて、家の中に入った。
(お姉ちゃんと京一くんが二人一緒にいるなんて、そんなことあるわけがないのよ。だから、心配しなくても大丈夫)
 柚子は、自分に言い聞かせるようにそう思った。

                 ♢♢♢
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