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4 妹の決断
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こんな時でもおなかがすいた自分に、柚子は呆れた。
それから母に言われたとおり、冷蔵庫をあけて、ごはんを物色した。しかし、冷蔵庫の中に入っていたのは、柚子のきらいな納豆や、調理がされていない食材ばかりだった。食べられそうな物はなにも入っていない。母はろくに冷蔵庫を確認せずに、ごはんがあると言ったのだろう。こんな大変なじたいなのだから、そこら辺は仕方がないことだけど、なにかひとつでも入っていてほしかった、と柚子は思った。結局、冷蔵庫の物はあきらめて、柚子は出前をとるか、外に買い物にいくか迷った。
「よし、近くのコンビニにいこう」
柚子は早速、家からでた。
近くのコンビニでは、幼なじみの京一くんが、今日もバイトをしているはずだけど、いま、彼はレジにいるだろうか。そう思うと、柚子の胸は突然、高鳴りはじめた。
実をいうと、柚子は幼いころから、京一のことがずっと好きなのだ。
やさしくて顔がととのっていて、今時の高校生にしては、少し古風なところが柚子好みだった。そんな京一にいまから会えると思うと、柚子はうれしくてたまらなかった。
(どうしよう。いまから京一くんに会える!)
柚子は思わず、コンビニまでの道を、かろやかにステップを踏むようにして歩いた。
乙葉が大変なときに、多少不謹慎ではあるけれど、柚子のはやる気持ちはおさえきれなかった。
そしてコンビニに来店すると、柚子は夜ごはんを選びつつも、京一の姿をさがした。しかし京一の姿は見当たらない。今日は、バイトがある日ではないのだろうか。
「京一くん、一体どうしちゃったんだろうね」
「そうですねえ」
なにやら、レジにいた店員二人が、京一のことを話している声が聞こえた。
柚子はとっさに、その話に聞き耳を立てた。
「珍しいよね。いつもなら、ちゃんと時間どおりにくるのに」
小太りの店員が言った。
「具合でも悪いんじゃないですか?」
同僚らしき男がそう言った。
「なのかなあ」
そう言うと、小太りの男は、首をかしげた。
「大丈夫っすよ、京一さんなら」
それから母に言われたとおり、冷蔵庫をあけて、ごはんを物色した。しかし、冷蔵庫の中に入っていたのは、柚子のきらいな納豆や、調理がされていない食材ばかりだった。食べられそうな物はなにも入っていない。母はろくに冷蔵庫を確認せずに、ごはんがあると言ったのだろう。こんな大変なじたいなのだから、そこら辺は仕方がないことだけど、なにかひとつでも入っていてほしかった、と柚子は思った。結局、冷蔵庫の物はあきらめて、柚子は出前をとるか、外に買い物にいくか迷った。
「よし、近くのコンビニにいこう」
柚子は早速、家からでた。
近くのコンビニでは、幼なじみの京一くんが、今日もバイトをしているはずだけど、いま、彼はレジにいるだろうか。そう思うと、柚子の胸は突然、高鳴りはじめた。
実をいうと、柚子は幼いころから、京一のことがずっと好きなのだ。
やさしくて顔がととのっていて、今時の高校生にしては、少し古風なところが柚子好みだった。そんな京一にいまから会えると思うと、柚子はうれしくてたまらなかった。
(どうしよう。いまから京一くんに会える!)
柚子は思わず、コンビニまでの道を、かろやかにステップを踏むようにして歩いた。
乙葉が大変なときに、多少不謹慎ではあるけれど、柚子のはやる気持ちはおさえきれなかった。
そしてコンビニに来店すると、柚子は夜ごはんを選びつつも、京一の姿をさがした。しかし京一の姿は見当たらない。今日は、バイトがある日ではないのだろうか。
「京一くん、一体どうしちゃったんだろうね」
「そうですねえ」
なにやら、レジにいた店員二人が、京一のことを話している声が聞こえた。
柚子はとっさに、その話に聞き耳を立てた。
「珍しいよね。いつもなら、ちゃんと時間どおりにくるのに」
小太りの店員が言った。
「具合でも悪いんじゃないですか?」
同僚らしき男がそう言った。
「なのかなあ」
そう言うと、小太りの男は、首をかしげた。
「大丈夫っすよ、京一さんなら」
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