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3 メリーゴーランド

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 そのなにかはよく見ると、鍵の形をしていることがわかった。シンプルなわっかのキーホルダーに、白色の鍵が、十本くらいつけられている。
 京一はハッとすると、すぐにその場にひざまずいた。
 そして、ぶら下がっている鍵を手にし、
「もしかして、鍵ってこれのことか?」と呟いた。
「ねえ、京一ー!」
 窓の外にいる乙葉がさけんだ。
 京一はようやく、その声に気づき、
「乙葉! 鍵があったぞ!」と、窓の外に向かってさけんだ。
「え? 鍵?」
 なんのことかわからずに、乙葉が聞きかえした。
「ほら!」
 乙葉に見せるように、京一は、鍵を持っている手をかかげた。
 乙葉はその鍵を見ると、
「まあ、本当だわ」と、おどろいて目を丸くした。
「鍵、あったんだ!」
 ルーカスもおどろきながら、京一の方を見た。
「これで帰れるかもしれない」
 もり上がっている京一だったが、乙葉はとうとう吐き気がして、口を手で押さえた。
「ん? 乙葉、どうした?」
 まわりながら、具合が悪そうにしている乙葉を見て、京一が言った。
「吐きそう」
 それを聞くと、京一はすぐに、赤いボタンを押して、乗り物の動きを止めた。
 メリーゴーランドが止まってから、乙葉は目をまわしながら、馬からおりた。そんな乙葉とは反対に、ルーカスは、乗る前となにも変わらない様子のまま、京一のいる操作室へと、飛びはじめた。
「ああ、目がまわるー」
 乙葉はその場にへたり込んだ。
「乙葉ー、大丈夫か?」
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