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3 メリーゴーランド

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 仕方なさそうに、京一が言った。
 そのあと、乙葉は京一に、操作の仕方を教えると、ルーカスと一緒に、操作室から出ていった。操作室に一人残った京一は、窓をあけ、乙葉たちの合図を待った。
「京一、おねがーい!」
 馬にまたがった乙葉が、はなれた場所にいる京一に聞こえるよう、早速、大きな声で言った。
 その時はルーカスも、乙葉のとなりで、準備万端だと言うように、馬にまたがっていた。
「あー、はいはい」
 京一は嫌々ながらも、黒いボタンを押した。
 すると、メリーゴーランドは、再びまわりはじめた。
「いえーい! 楽しい!」
「最高!」
 乙葉とルーカスは、口々に声を上げた。
「京一も、あとで乗るー?」
 気をつかって乙葉が言った。
「俺はいい」
 相変わらず、素っ気なく京一が言った。
「ええ、こんなに楽しいのに」
 信じられないというように、ルーカスが言った。
 それからしばらくたったあと、京一は腕を組んで、壁に背をもたれさせ、操作室をおもむろに見まわした。
 操作室はせまくて、人が二人入るのがやっとな空間だ。そこにある物も、一見、操作台くらいしか見当たらない。
「京一ー! もっとスピード上げてー!」
 ルーカスが大声で言った。
「わかった」
 ことわるかと思いきや、素直に聞き入れた京一を見て、
「えっ、ちょっと、これ以上はだめよ!」と、戸惑いながら乙葉が言った。
 しかし、乙葉の声が聞こえていないのか、京一はルーカスの要求を優先し、ひねるタイプのスイッチを、右にひねった。
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