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3 メリーゴーランド
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乙葉が言うと、
「知らないものは知らないんだから、仕方ないじゃん」と、ルーカスが平然とそう返した。
「仕方ないじゃんって言ったって……私、止められる自信ないわよ」
声を落として、乙葉が言った。
「まあ、とりあえず、あの操作室の中に入ってみようよ」
ルーカスがうながした。
「わかったわ、そうしましょう」
乙葉がそう言うと、早速、二人は操作室に移動した。
操作室では、無人にもかかわらず、かってに機械が動いているような状態だった。自動運転なのだろうか。この機械がどのような仕組みになっているのか、乙葉には見当もつかなかった。
「どれが止めるボタンかしら?」
乙葉が言った。
操作台の上には、赤いボタンが一つと黒いボタンが一つ、そして捻るタイプのダイヤル式スイッチが、四つつけられていた。
赤いボタンが一番あやしいけれど、本当に止まるかどうかはわからない。
「もう、どこかに説明書きとか置いてないの?」
乙葉はそう言いながら、説明書きを探したが、どこにも見当たらず、がっくりして肩を落とした。
「ねえ、これは?」
ルーカスは乙葉の返事を待たずに、黒いボタンを押した。
「えっ、押しちゃったの?」
乙葉は、まさかというような顔をして、操作室の窓から、外の様子を見た。
しかし、乗り物には特に変わった様子はなく、これまでと同様、動き続けていた。
乙葉はそれを見て、ホッと一息ついた。
「よかったー。変なことにならなくて」
「じゃあ、次これ」
続いてルーカスは、捻るタイプのスイッチを右に捻った。
すると、メリーゴーランドのスピードが、先ほどよりも、はるかに速くなり始めた。
「知らないものは知らないんだから、仕方ないじゃん」と、ルーカスが平然とそう返した。
「仕方ないじゃんって言ったって……私、止められる自信ないわよ」
声を落として、乙葉が言った。
「まあ、とりあえず、あの操作室の中に入ってみようよ」
ルーカスがうながした。
「わかったわ、そうしましょう」
乙葉がそう言うと、早速、二人は操作室に移動した。
操作室では、無人にもかかわらず、かってに機械が動いているような状態だった。自動運転なのだろうか。この機械がどのような仕組みになっているのか、乙葉には見当もつかなかった。
「どれが止めるボタンかしら?」
乙葉が言った。
操作台の上には、赤いボタンが一つと黒いボタンが一つ、そして捻るタイプのダイヤル式スイッチが、四つつけられていた。
赤いボタンが一番あやしいけれど、本当に止まるかどうかはわからない。
「もう、どこかに説明書きとか置いてないの?」
乙葉はそう言いながら、説明書きを探したが、どこにも見当たらず、がっくりして肩を落とした。
「ねえ、これは?」
ルーカスは乙葉の返事を待たずに、黒いボタンを押した。
「えっ、押しちゃったの?」
乙葉は、まさかというような顔をして、操作室の窓から、外の様子を見た。
しかし、乗り物には特に変わった様子はなく、これまでと同様、動き続けていた。
乙葉はそれを見て、ホッと一息ついた。
「よかったー。変なことにならなくて」
「じゃあ、次これ」
続いてルーカスは、捻るタイプのスイッチを右に捻った。
すると、メリーゴーランドのスピードが、先ほどよりも、はるかに速くなり始めた。
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