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2 残虐な着ぐるみ

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「でも、外に出ないといけないんでしょ?」
 乙葉の話をさえぎり、ルーカスが言った。
「ええ、ごめんなさい」
 乙葉が謝った。
「謝らないでよ。悪いけど、本当は僕、乙葉が鍵を見つけられるなんて、一ミリも思ってないし。でもまあ、せいぜいがんばってよ」
 まったく悪気がなさそうに、ルーカスが言った。
 おどろいた乙葉は、
「あら、さっきは励ましてくれていたのに……いじわるなのね」と、言った。
 これでこの遊園地から出る方法はわかった。でも、まだ問題がある。それは、この遊園地から出ても、外は別世界だと言うこと。だから、元の世界に戻る方法も、知る必要がある。ルーカスは知っているだろうか。知っているなら、すぐにでも聞きたいところだけど、それはまた、つぎの機会にするとしよう。
「あ、そうだ。寝るところがないなら、僕の家に来なよ。アスファルトの上に、そのまま寝るのはつらいでしょ?」
 突如、ルーカスが言った。
「いいの⁉︎」
 目を見開いて、乙葉が言った。
「乙葉なら大歓迎だよ」
 笑ってルーカスが言った。
 乙葉は、両手を胸の前で合わせると、
「ああ、神様、ありがとうございます」と言った。
「あはは。神様なんて大げさだよ。やっぱり、乙葉って面白いね!」
 ルーカスが喜んで言った。
「それより、なんか安心したら、お腹がすいてきたわ」
 そう言うと、乙葉はお腹にふれて、げんなりした。
「持ってきたお菓子は、ほぼ全部、ルーカスが食べちゃったし、もう残り少ない」
 リュックの中にある少ないお菓子を見て、乙葉が言った。
「でも、この遊園地に食べ物なんてないけど、大丈夫?」
 平然とした様子で、ルーカスが言った。
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