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6 さよなら
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「私、もう諦めたの。だって京一くんはもう、どこかの誰かさんにメロメロのようだから」
すると京一は、何のことだと言わんばかりに顔をしかめた。
「あのねえ、銀司だけはやめておきなさいよ。だってあいつはタバコ吸うし、言葉遣い悪いし、おまけに変態だし」
銀司が近くにいないことをいいことに、乙葉が散々悪口を言った。
「ああもう、わかったわよ」
うるさそうに柚子が言った。
「でも私、もう好きになっちゃったんだもの。仕方ないでしょ」
乙葉と京一は、やめてほしいとでもいうように、二人で顔をしかめた。
「それと、ルーカス。いろいろとありがとね」
ルーカスのいる方を見て、柚子が微笑みながら言った。
「じゃ、そういうことで、お先にいかせてもらうわ」
柚子は門の外に向かって、軽快に走っていった。
そして最終的に残されたのは、乙葉、京一、ルーカスの三人だけになった。
乙葉はこの遊園地にたいして、まだどこか心残りのようなものがあって、いく気にはなれなかった。
苦しいことや悲しいこと、いろいろとトラブルばかりの遊園地だったけれど、みんなとわいわい過ごした時間だけは、楽しくて仕方がなかった。
そう言う時間を思い出して、乙葉は一人、最後まで感傷に浸りたかったのだ。
だから、これから崩壊が進んで、いよいよ危ないかもしれないという時まで、ここにいようと思った。
しかし、となりにいる京一を見ると、乙葉とおなじように、まだ出る気がないように見えた。
不思議に思った乙葉は、
「京一、いかないの?」と尋ねた。
「お前がちゃんと外の世界に戻るのを確認してから、俺もいこうと思っている」
乙葉のことを信頼していないのか、疑わしそうに京一が言った。
「じゃないと、本当に出てくるかわからないからな」
「なに、それ」
呆然としながら乙葉が言った。
すると京一は、何のことだと言わんばかりに顔をしかめた。
「あのねえ、銀司だけはやめておきなさいよ。だってあいつはタバコ吸うし、言葉遣い悪いし、おまけに変態だし」
銀司が近くにいないことをいいことに、乙葉が散々悪口を言った。
「ああもう、わかったわよ」
うるさそうに柚子が言った。
「でも私、もう好きになっちゃったんだもの。仕方ないでしょ」
乙葉と京一は、やめてほしいとでもいうように、二人で顔をしかめた。
「それと、ルーカス。いろいろとありがとね」
ルーカスのいる方を見て、柚子が微笑みながら言った。
「じゃ、そういうことで、お先にいかせてもらうわ」
柚子は門の外に向かって、軽快に走っていった。
そして最終的に残されたのは、乙葉、京一、ルーカスの三人だけになった。
乙葉はこの遊園地にたいして、まだどこか心残りのようなものがあって、いく気にはなれなかった。
苦しいことや悲しいこと、いろいろとトラブルばかりの遊園地だったけれど、みんなとわいわい過ごした時間だけは、楽しくて仕方がなかった。
そう言う時間を思い出して、乙葉は一人、最後まで感傷に浸りたかったのだ。
だから、これから崩壊が進んで、いよいよ危ないかもしれないという時まで、ここにいようと思った。
しかし、となりにいる京一を見ると、乙葉とおなじように、まだ出る気がないように見えた。
不思議に思った乙葉は、
「京一、いかないの?」と尋ねた。
「お前がちゃんと外の世界に戻るのを確認してから、俺もいこうと思っている」
乙葉のことを信頼していないのか、疑わしそうに京一が言った。
「じゃないと、本当に出てくるかわからないからな」
「なに、それ」
呆然としながら乙葉が言った。
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