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5 クラウスの剣

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「そう。じゃあ私、とりあえずいってくるわね」
 乙葉が言うと、
「うん。気をつけて、お姉ちゃん、ルーカス」と、元気に柚子が言った。
「二人とも、絶対に死なないでもどってきて」
「もちろん」
 乙葉がすぐに返事をした。
 ルーカスも返事のかわりに、笑顔になって答えた。
「じゃあいきましょう、ルーカス」
「うん」
 ルーカスはそう言うと、乙葉と手を繋いで、二人一緒に空を飛んだ。
 そしてゆっくりと城の上空を飛びながら、ボスの姿を見て、
「ボスを倒しにいくって言ったのはいいけど、あの緑の変なグニョグニョを倒す方法なんて、私まだ、全然思いついてないのよ」と、悩んでいる乙葉が言った。
「だろうね」
 予想していたように、ルーカスが言った。
「ああ、本当に、どうしましょう」
 乙葉はもどかしいあまりに、思わず唇を噛んだ。
「もうそんなに時間もないし、なにか、パッといい考えが思い浮かばないかしら……」
 その時、乙葉は突然、あることを一つ思い出し、
「あっ、そうだわ!」と、大きな声を上げた。
「びっくりした」
 胸に手を当てながら、ルーカスが言った。
「なに、いきなり?」
「思い出したの!」
 興奮しながら乙葉が言った。
「あの本に書いてあったこと! もしかして、あの隠し部屋にある剣を使えば、ボスを倒せるんじゃない?」
 ルーカスは急にとぼけた顔になると、
「さあ、どうかなあ」と言った。
「ルーカス、あなた、いつもそうやってとぼけるのね」
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