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5 クラウスの剣
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「嬢ちゃん、さっき転んでたみてえだったけど、大丈夫だったか?」
そう言って銀司が振り返ると、柚子は目を逸らしながら、
「別に、大丈夫よ」と、無愛想に言った。
「ならよかったぜ」
そう言うと、銀司は歯を見せて笑った。
柚子はその顔をちらりと見て、みるみる顔を赤くし、
「ぎ、銀司のくせに、意外とやるわね」と言った。
「意外ととはなんだよ。そこは素直に褒めるところだろ?」
銀司が言った。
「まったく、本当に素直じゃねえ嬢ちゃんだ」
「悪かったわね」
尖った声で柚子が言った。
そう言われた銀司は、ただ苦笑しながら柚子を見ていた。
そのあと、柚子は少しそわそわした様子になると、
「でも……助けてくれて、ありがと」と、上目遣いをしながら銀司を見て、照れたように言った。
すると、銀司の顔もたちまち赤くなり、
「えっ、な、なんだよ」と、動揺しながら言った。
「めったに礼なんて言わないはずの嬢ちゃんにそんなこと言われたら、なんか、落ち着かなくなるじゃねえかよ」
頬を人さし指でぽりぽりと掻きながら、銀司は柚子から目を逸らしていた。
「それより、またこっちにくまがこようとしてるぞ。ここは俺たちに任せて、危ねえから、嬢ちゃんはどっか安全な場所に隠れてろ」
銀司の言うとおり、また何体かのくまたちが、銀司と柚子のいる場所に向かって、続々とやってくるのが見えた。
「あんたに言われるのはなんか癪だけど、わかったわよ」
柚子はそう言うと、安全な逃げ場所を求めて、その場から立ち去った。
遠くからその様子を見ていた乙葉も、ルーカスと一緒に柚子のあとを追いかけ、避難することに決めた。
♢♢♢
そう言って銀司が振り返ると、柚子は目を逸らしながら、
「別に、大丈夫よ」と、無愛想に言った。
「ならよかったぜ」
そう言うと、銀司は歯を見せて笑った。
柚子はその顔をちらりと見て、みるみる顔を赤くし、
「ぎ、銀司のくせに、意外とやるわね」と言った。
「意外ととはなんだよ。そこは素直に褒めるところだろ?」
銀司が言った。
「まったく、本当に素直じゃねえ嬢ちゃんだ」
「悪かったわね」
尖った声で柚子が言った。
そう言われた銀司は、ただ苦笑しながら柚子を見ていた。
そのあと、柚子は少しそわそわした様子になると、
「でも……助けてくれて、ありがと」と、上目遣いをしながら銀司を見て、照れたように言った。
すると、銀司の顔もたちまち赤くなり、
「えっ、な、なんだよ」と、動揺しながら言った。
「めったに礼なんて言わないはずの嬢ちゃんにそんなこと言われたら、なんか、落ち着かなくなるじゃねえかよ」
頬を人さし指でぽりぽりと掻きながら、銀司は柚子から目を逸らしていた。
「それより、またこっちにくまがこようとしてるぞ。ここは俺たちに任せて、危ねえから、嬢ちゃんはどっか安全な場所に隠れてろ」
銀司の言うとおり、また何体かのくまたちが、銀司と柚子のいる場所に向かって、続々とやってくるのが見えた。
「あんたに言われるのはなんか癪だけど、わかったわよ」
柚子はそう言うと、安全な逃げ場所を求めて、その場から立ち去った。
遠くからその様子を見ていた乙葉も、ルーカスと一緒に柚子のあとを追いかけ、避難することに決めた。
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