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5 クラウスの剣
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「昨日、夕方に一人で小屋から出ていただろ? あの時じつは、城に忍びこんで、ムムから有力な情報を聞き出していたんだ」
こともなげに京一が言った。
「それならそうと、言ってくれたらよかったのに」
乙葉が不平を言った。
「そしたらお前とルーカスが、絶対についてくるって言い出すにちがいないと思ってな。こういうことをするのは一人の方がいい」
きっぱりと京一が言った。
ルーカスはまた、みんなのところへ戻ってくると、
「じゃあその時に、果物も一緒に持って帰ってきてくれてたらよかったのに!」と、京一に不満をぶつけた。
「たしかにそうよ」
乙葉がつづけた。
「そしたら、わざわざルーカスに頼まずに済んだのに」
「それはすまん」
京一は素直に謝った。
「でもよ、もうそんなこと、いまとなってはどうでもいいことじゃねえか。それより、さっきの話に戻ろうぜ」
苛立った様子の銀司が急かした。
「ああ」
京一が返事をした。
「結論をいうと、この遊園地の外に出るには、屋根の上までいって、ボスを倒す必要があるということだ」
「でも、結局これも人殺しになるじゃない」
浮かない顔で乙葉が言った。
「ボスはもう人間でもなんでもない。だから大丈夫だ」
乙葉を安心させるように、京一が断言した。
「え、そうなの?」
目を丸くして柚子が言った。
「人間じゃないんだ。どうりで、変な声してると思った」
こともなげに京一が言った。
「それならそうと、言ってくれたらよかったのに」
乙葉が不平を言った。
「そしたらお前とルーカスが、絶対についてくるって言い出すにちがいないと思ってな。こういうことをするのは一人の方がいい」
きっぱりと京一が言った。
ルーカスはまた、みんなのところへ戻ってくると、
「じゃあその時に、果物も一緒に持って帰ってきてくれてたらよかったのに!」と、京一に不満をぶつけた。
「たしかにそうよ」
乙葉がつづけた。
「そしたら、わざわざルーカスに頼まずに済んだのに」
「それはすまん」
京一は素直に謝った。
「でもよ、もうそんなこと、いまとなってはどうでもいいことじゃねえか。それより、さっきの話に戻ろうぜ」
苛立った様子の銀司が急かした。
「ああ」
京一が返事をした。
「結論をいうと、この遊園地の外に出るには、屋根の上までいって、ボスを倒す必要があるということだ」
「でも、結局これも人殺しになるじゃない」
浮かない顔で乙葉が言った。
「ボスはもう人間でもなんでもない。だから大丈夫だ」
乙葉を安心させるように、京一が断言した。
「え、そうなの?」
目を丸くして柚子が言った。
「人間じゃないんだ。どうりで、変な声してると思った」
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