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4 死闘
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内田がそう言うと、京一はうなずいた。
「ごめんね、僕、寝起き悪くって」
頭に手を置きながら、申し訳なさそうに、内田が謝った。
「ふあー。でも安心して、いま起きるから」
そう言うと、内田はゆっくりと立ち上がって、大きく伸びをした。
「俺たちもういくので、小屋の見張りの方をお願いします」
冷静に京一が言った。
「もちろん、任せてよ」
張り切って内田が答えた。
やがて、三人は早めに準備を終えて、あっという間に朝食を食べ終えた。そのあと、内田に見送られることになり、小屋の前で別れの挨拶をした。
「じゃあ三人とも、いってらっしゃい。くれぐれも気をつけてね」
内田が言った。
「はい。必ず、生きて戻ってきます」
そう言うと、京一は先に立って、城へと歩いた。
「内田さん、小屋をよろしくお願いします」
まだ小屋の前にいる乙葉が言った。
「うん。小屋のことならなにも心配はいらないよ」
拳を胸にどんと当てながら、内田が言った。
「ここは僕が絶対に、一人も侵入させないよう、ちゃんと見張っておくからさ」
ルーカスはなにも言わず、空中から飛びながら、そう話している二人をただ見下ろしていた。
すると、
「おーい! 乙葉、ルーカス、なにやってんだ。はやくしろ」と、遠くで京一の呼ぶ声がした。
乙葉は一度京一の方を見ると、内田に視線を戻し、
「それじゃあ、いってきます」と、笑顔で言って、小屋をあとにした。
「じゃあね、内田―」
つづけて、乙葉と京一の後を追ったルーカスが、手を振って言った。
そして、一人になった内田は、乙葉たちが見えなくなるまで、ずっと手を振り続けていた。
「ごめんね、僕、寝起き悪くって」
頭に手を置きながら、申し訳なさそうに、内田が謝った。
「ふあー。でも安心して、いま起きるから」
そう言うと、内田はゆっくりと立ち上がって、大きく伸びをした。
「俺たちもういくので、小屋の見張りの方をお願いします」
冷静に京一が言った。
「もちろん、任せてよ」
張り切って内田が答えた。
やがて、三人は早めに準備を終えて、あっという間に朝食を食べ終えた。そのあと、内田に見送られることになり、小屋の前で別れの挨拶をした。
「じゃあ三人とも、いってらっしゃい。くれぐれも気をつけてね」
内田が言った。
「はい。必ず、生きて戻ってきます」
そう言うと、京一は先に立って、城へと歩いた。
「内田さん、小屋をよろしくお願いします」
まだ小屋の前にいる乙葉が言った。
「うん。小屋のことならなにも心配はいらないよ」
拳を胸にどんと当てながら、内田が言った。
「ここは僕が絶対に、一人も侵入させないよう、ちゃんと見張っておくからさ」
ルーカスはなにも言わず、空中から飛びながら、そう話している二人をただ見下ろしていた。
すると、
「おーい! 乙葉、ルーカス、なにやってんだ。はやくしろ」と、遠くで京一の呼ぶ声がした。
乙葉は一度京一の方を見ると、内田に視線を戻し、
「それじゃあ、いってきます」と、笑顔で言って、小屋をあとにした。
「じゃあね、内田―」
つづけて、乙葉と京一の後を追ったルーカスが、手を振って言った。
そして、一人になった内田は、乙葉たちが見えなくなるまで、ずっと手を振り続けていた。
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