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4 死闘
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乙葉、ルーカス、内田の三人が、小屋の中でなにやら騒々しくしていると、突然、扉が開き、これまで外に出ていたはずの京一が戻ってきた。
「あ、京一! やっと帰ってきた!」
ちょうどテーブルの上辺りを浮いているルーカスが、笑顔で言った。
「もうおそいわよー、なにやってたの? こんなバーサークがうろついている時間まで外に出るなんて、危険にもほどがあるわ」
待ちくたびれた乙葉が言った。
「そうそう、もしかしたら京一くん、バーサークにやられたんじゃないかって、みんなですごく心配していたんだから」
内田が言った。
「すみません、内田さん。それに二人も、心配かけてすまん」
即座に京一が謝った。
「実はちょっと調べたいことがあって、園内を調べていたんだ」
「調べたいことって?」
乙葉が首をかしげた。
「まあ、それはあとでいう」
京一はそう言うと、乙葉からテーブルの上に視線を移した。
すると京一は、思わず顔をしかめたように見えた。
なぜならいま、小屋のテーブルの上には、鍋やガスコンロ、菜箸やトレー、材料が入ったボールなどが、ぐちゃぐちゃに置かれてあったからだ。
しかもそれだけではなく、中央にはいろいろな雑草が並べておいてあり、まるでなにかの実験をしているような、とても奇妙な光景が広がっていた。
京一はそのひどく散らかっている有り様をしばらく見たあと、
「これは一体、なにをしているんだ?」と、けげんそうに尋ねた。
「あ、京一! やっと帰ってきた!」
ちょうどテーブルの上辺りを浮いているルーカスが、笑顔で言った。
「もうおそいわよー、なにやってたの? こんなバーサークがうろついている時間まで外に出るなんて、危険にもほどがあるわ」
待ちくたびれた乙葉が言った。
「そうそう、もしかしたら京一くん、バーサークにやられたんじゃないかって、みんなですごく心配していたんだから」
内田が言った。
「すみません、内田さん。それに二人も、心配かけてすまん」
即座に京一が謝った。
「実はちょっと調べたいことがあって、園内を調べていたんだ」
「調べたいことって?」
乙葉が首をかしげた。
「まあ、それはあとでいう」
京一はそう言うと、乙葉からテーブルの上に視線を移した。
すると京一は、思わず顔をしかめたように見えた。
なぜならいま、小屋のテーブルの上には、鍋やガスコンロ、菜箸やトレー、材料が入ったボールなどが、ぐちゃぐちゃに置かれてあったからだ。
しかもそれだけではなく、中央にはいろいろな雑草が並べておいてあり、まるでなにかの実験をしているような、とても奇妙な光景が広がっていた。
京一はそのひどく散らかっている有り様をしばらく見たあと、
「これは一体、なにをしているんだ?」と、けげんそうに尋ねた。
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