ルーカスと呪われた遊園地（下）

３ かくれんぼ

５

　ルーカスは肩をすくめた。
「だからさ、いっそのこと自分たちで勝手に逃げてもらって、僕は京一たちに知らせにいった方がいいと思ったんだ」
　それを聞いた京一は、ルーカスに説教したいのをこらえるように唇を噛み、
「うーん。それくらいがんばって飛べと言いたいところだが、まあ仕方ない」と言った。
「知らせてくれて助かった。礼をいうぞ、ルーカス」
「そんなことより大変よ！　久遠くんと銀司が、このままだとバーサークに捕まってしまうわ！」
　乙葉がとり乱して言った。
「それもそうだな」
　冷静に京一が言った。
「いますぐあいつらを、バーサークの魔の手から助けにいこう」
　三人は急いで、二階へと上がっていった。しかし、途中でなぜかシャッターが下りていて、思わぬ足止めを食らった。
「え？　どうして？　行き止まりになってる……」
　ショックを受けながら、乙葉が言った。
「あれ？　僕がとおった時には、こんなものなかったんだけどな」
　不思議そうにルーカスが言った。
「それじゃあ、ルーカスが出てしばらくたってから、シャッターが閉まってしまったんだろう」
　京一が推測すいそくして言った。
「どうしよう、久遠くんたちが……」
　乙葉はわかりやすくうろたえた。
「これは、想定外だ」
　困った顔をして京一が言った。
「ほかにどこか二階へいける通路はないのか？」
「残念だけど、ここ以外はないよ」
　ルーカスが言った。
「だから、ひとまずこの扉が開くまで、おとなしく待っていたらいいんじゃないかな」
「いや、それじゃおそい」