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2 不思議なお城
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バーサークはベッドから離れて、トランシーバーを手にした。
そしてまじまじと見て。
「こんなもの、俺の部屋にはなかったはずだ」と言った。
「ん? あそこにもなにかあるぞ」
三人がハラハラしながらバーサークの様子を見ていると、バーサークはまたしても、なにか物を見つけて動き出した。
「この鉄パイプも、俺のじゃない」
ふたたび落ちている物を手にして、バーサークが言った。
「さては、誰か俺の部屋に侵入しやがったな」
その時、久遠は心臓が張り裂けそうなほど、胸が痛くなった。胃も重たくなって、なにも入っていないはずなのに気持ちが悪くなってきた。
「おい、隠れてもムダだ」
部屋のまわりを見まわしながら、バーサークが言った。
「ここにお前たちがいることはもうわかっているんだ。はやく出てこい」
「どうしますか?」
とても小さな声で久遠が尋ねた。
「どうすんのかって言われても、もうどうしようもねえだろ」
恐怖で震えた銀司が、小声で言った。
「ああ、もう俺の人生もここで終わりだ」
「みんな、大げさだよ。僕にいい考えがあるから聞いて」
こんな大変な事態にもかかわらず、明るくルーカスが言った。
すっかりパニックにおちいった久遠と銀司の二人は、藁にもすがる思いで、ルーカスの話を聞くことにした。
その間、バーサークは、部屋のあらゆるところを探しまくっていた。
「おーい、子猫ちゃんたち、どこだあ?」
甘ったるい声でバーサークが呼ぶ。
「はやく出てきておくれよ。この優しい俺様が、八つ裂きにして殺してあげるからさ」
残酷な言葉を吐きながら、バーサークはベッドの下や鉄の箱の中、カーテンの裏など、あやしいところを隈なく見ているようだった。
そしてまじまじと見て。
「こんなもの、俺の部屋にはなかったはずだ」と言った。
「ん? あそこにもなにかあるぞ」
三人がハラハラしながらバーサークの様子を見ていると、バーサークはまたしても、なにか物を見つけて動き出した。
「この鉄パイプも、俺のじゃない」
ふたたび落ちている物を手にして、バーサークが言った。
「さては、誰か俺の部屋に侵入しやがったな」
その時、久遠は心臓が張り裂けそうなほど、胸が痛くなった。胃も重たくなって、なにも入っていないはずなのに気持ちが悪くなってきた。
「おい、隠れてもムダだ」
部屋のまわりを見まわしながら、バーサークが言った。
「ここにお前たちがいることはもうわかっているんだ。はやく出てこい」
「どうしますか?」
とても小さな声で久遠が尋ねた。
「どうすんのかって言われても、もうどうしようもねえだろ」
恐怖で震えた銀司が、小声で言った。
「ああ、もう俺の人生もここで終わりだ」
「みんな、大げさだよ。僕にいい考えがあるから聞いて」
こんな大変な事態にもかかわらず、明るくルーカスが言った。
すっかりパニックにおちいった久遠と銀司の二人は、藁にもすがる思いで、ルーカスの話を聞くことにした。
その間、バーサークは、部屋のあらゆるところを探しまくっていた。
「おーい、子猫ちゃんたち、どこだあ?」
甘ったるい声でバーサークが呼ぶ。
「はやく出てきておくれよ。この優しい俺様が、八つ裂きにして殺してあげるからさ」
残酷な言葉を吐きながら、バーサークはベッドの下や鉄の箱の中、カーテンの裏など、あやしいところを隈なく見ているようだった。
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