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2 不思議なお城

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 すると中は、応接室のような部屋になっていた。でも残念ながら、なにもあやしいところはなかったため、ほかの扉も開けてみることにした。
 そうして、乙葉は地下牢への道が見つかるまで、次々と部屋の中を、たしかめるようにして開けていった。そして四つ目の扉の中をすこし見て、閉めた時のことだった。扉のとなりに、なにやら長い廊下が続いているのが見えて、乙葉は妙にそこが気になって仕方なくなった。
 奥は暗くてよく見えなかったため、歩いて見にいくことにした。
 廊下はなんだか、気味が悪いくらいしずかで、逆にこわさを感じてしまうほどだった。それに、奥からひんやりとした風が吹いて、乙葉は思わず身震いをした。
「おーい、柚子ー」
 小声で言いながら、乙葉はゆっくりと歩いた。
「いるなら返事してー」
 しかし返事はない。この時、すでに廊下の半分くらいまで進んでいた。
 いつ、どこで敵があらわれるかわからないこの城で、大胆にも一人で突き進んでしまった乙葉だったが、いまさらながらすこし後悔していた。なぜって、こわくていまにも、どこかに隠れてしまいたい気分だったからだ。
「京一と一緒にきたらよかったかも」
 乙葉は弱々しくそう呟いた。
 それから、やっとのことで、廊下の突き当たりにまでたどり着くと、地下へとつづく階段を見つけた。
「まあ、下にいけるようになっているわ」
 目を丸くしながら、乙葉が言った。
「ひょっとして、地下牢へとつづく道って、ここのことじゃないかしら? もしそうだとしたら、ここを進んでいけば、柚子に会えるかもしれないわね……」
 考えながらそう言うと、乙葉はまだホールにいる京一に知らせるため、すぐにきびすを返した。

                 ♢♢♢
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