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1 小さなリス

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 男らしく銀司が言い放った。
「あの嬢ちゃんが大変だっていう時に、のんきに作戦会議なんてしてられっかよ!」
「それもそうだけど、いま勢いでいったりして、柚子ちゃんを助ける前に、みんなまでバーサークに殺されちゃったら、元も子もないよ」
 落ち着いた様子の内田が言った。
「まあ、たしかに、そうだな」
 納得しながらいうと、銀司は急にいらつきはじめ、両手で頭をかきむしりながら、
「あー、もう! くそっ、一体どうしたら……」と、つづけざまに言った。
 そこで小屋に沈黙が訪れた。
 絶対絶命のようなこの状況に、みんなはひどく頭を悩ませた。
 そんな時、ふいにルーカスが、
「みんな、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」と言った。
「え?」
 内田が言った。
「なんでそんなことが簡単にいえるの?」
「だって、多分そんなにすぐには殺したりしないと思うから」
 空中に浮きながら、みんなに向かってルーカスが答えた。
「いまごろ、城の地下牢ちかろうに入れられてるんじゃないかな」
「地下牢? 城にそんな場所があるのか」
 興味深そうに京一が言った。
「うん、あるよ」
 なんでもないように、ルーカスがそう言った。
「知らなかった。でも、それを聞いてすこしは安心した」
 京一が言った。
「でも、地下牢に入れられてるなんて、柚子ちゃんがかわいそう」
 顔をしかめながら内田が言った。
「それに、いずれは殺されちゃうんでしょ? だったら、はやく助けにいってあげないと、手遅れになっちゃう」
「でも、よくよく考えたら、なんかおかしくないですか?」
 両手を組んで握りしめながら、思い詰めたように久遠が言った。
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