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1 小さなリス

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「もしいくことになったら、僕、夜もろくに眠れなくなるところだったよ」
「そしたら城にいくのは俺と久遠、銀司の三人だけということになるな」
 あらためて京一が言った。
「え? 僕は?」
 ルーカスが自分を指さして、京一に尋ねた。
「ルーカスは一応子供だし、俺たちとちがって、必ず園内から出ないといけないわけではないから、強要はしない。その代わり、もし俺たちと一緒に城にいきたいというのなら、こちらとしても非常にありがたい。ルーカスはバーサークや城のことについて詳しいし、なにより飛べるからな」
 京一が言った。
「じゃあ僕、ついていってあげるよ。だって、その方がいいんでしょ?」
 こころよく、ルーカスが引き受けた。
「おお、ルーカスさんがいてくれるなら、とても心強いです」
 久遠がよろこんで言った。
「ルーカス、よろしくな」
 そう言うと、銀司はルーカスに手をさし出して、握手をした。
「もう、京一ってば、私の気持ちはまる無視なの?」
 乙葉が不満を口にした。
「そうだ、柚子。柚子は城にいかないで、小屋に残ったままでいいの?」
 突然ひらめいた乙葉がそう聞くと、
「私は別に、それでも構わないわ。だって、その方が安全だもの」と、柚子が答えた。
「そう……」
 柚子も城にいきたいと言ってくれれば、自分も城にいけるかもしれないと期待していた乙葉は、柚子の意見を聞いて、がっかりしながら言った。
「ということで、あとは俺たち四人だけで作戦会議をする」
 京一が口火を切った。
「お前たちはその間、自由に行動していてくれ」

                 ♢♢♢
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