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1 小さなリス
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そんな柚子を見た京一は、
「俺と乙葉も以前、ルーカスにおなじような質問をしたことがある。その時も教えてはくれなかったが、まあ、無理に話させるのもよくないだろう」と言った。
「この遊園地にある城のことだ。バーサークやほかのやつだけが脅威になるんじゃなくて、城の中にはきっと、たくさんの危険な仕かけがほどこされているにちがいない」
「そんな……」
柚子が恐怖に満ちた顔で言った。
「もしそれが本当なら、城を出るまで、生きて帰れるかどうかもわからないってこと?」
「ああ、そういうことになるな」
落ち着き払って、京一が断言した。
「私たち本当に、大丈夫かしら」
乙葉が気を揉んだ。
「そんなに心配するな。今回は乙葉と柚子の二人には、小屋に残ってもらうことにしたから」
平然と京一が言った。
「え? それって……」
突然のことにおどろいた乙葉は、言葉に詰まった。
「そう、つまり、今回城に鍵を探しにいくのは、俺たち男だけってことだ」
はっきりと京一が言った。
「ええ? 私たちはお留守番なの?」
柚子がおどろいて言った。
「そんなの、聞いてないわ」
「いま伝えたばかりだからな。知らなくて当然だ」
なに食わぬ顔をして、京一が言った。
「待って、誰がいつ、そんな大事なことを決めたの?」
乙葉が尋ねた。
「さっき、ホワイトボードをとりにいってる時、俺が一人で考えて決めた」
京一が言った。
それを聞いた瞬間、思わず怒りで頭に血が上った乙葉は、勢いよく立ち上がると、テーブルをバンと音を立てて叩き、
「なんでそんな大事なことを、勝手に一人で決めちゃうのよっ」と言った。
「俺と乙葉も以前、ルーカスにおなじような質問をしたことがある。その時も教えてはくれなかったが、まあ、無理に話させるのもよくないだろう」と言った。
「この遊園地にある城のことだ。バーサークやほかのやつだけが脅威になるんじゃなくて、城の中にはきっと、たくさんの危険な仕かけがほどこされているにちがいない」
「そんな……」
柚子が恐怖に満ちた顔で言った。
「もしそれが本当なら、城を出るまで、生きて帰れるかどうかもわからないってこと?」
「ああ、そういうことになるな」
落ち着き払って、京一が断言した。
「私たち本当に、大丈夫かしら」
乙葉が気を揉んだ。
「そんなに心配するな。今回は乙葉と柚子の二人には、小屋に残ってもらうことにしたから」
平然と京一が言った。
「え? それって……」
突然のことにおどろいた乙葉は、言葉に詰まった。
「そう、つまり、今回城に鍵を探しにいくのは、俺たち男だけってことだ」
はっきりと京一が言った。
「ええ? 私たちはお留守番なの?」
柚子がおどろいて言った。
「そんなの、聞いてないわ」
「いま伝えたばかりだからな。知らなくて当然だ」
なに食わぬ顔をして、京一が言った。
「待って、誰がいつ、そんな大事なことを決めたの?」
乙葉が尋ねた。
「さっき、ホワイトボードをとりにいってる時、俺が一人で考えて決めた」
京一が言った。
それを聞いた瞬間、思わず怒りで頭に血が上った乙葉は、勢いよく立ち上がると、テーブルをバンと音を立てて叩き、
「なんでそんな大事なことを、勝手に一人で決めちゃうのよっ」と言った。
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