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1 小さなリス
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「ここだな」
しめしめというように、バーサークが言った。
もう終わりだ、そう思った時だった。
「おい、お前、やめろ!」
突然、バーサークが扉の外で、わめきはじめた。
「やめろってば! おい!」
なにが起こったのか、一瞬わけがわからなくなった乙葉は、とりあえず目を開けてみた。すると、扉の上には飛んでいるルーカスがいて、バーサークの頭を、足で思いきり蹴りまくっていた。
乙葉は顔をぱっと輝かせると、
「ルーカス!」と言った。
「乙葉を傷つけるやつは、僕が許さない!」
ルーカスが勇敢に言い放った。
「くそ! お前なんか、こうしてやる!」
そう言うと、バーサークはルーカスめがけて、手に持っていた大きなハンマーを、力の限り振り上げた。
しかしルーカスは、そのハンマーをいとも簡単に避けた。そればかりか、うまく移動して、バーサーク自身の頭に、そのハンマーを振り下ろさせた。
「いっ、いてええ!」
バーサークが悲鳴を上げた。
ルーカスは乙葉がいる個室内に、上から飛んで入っていくと、
「いまのうちに逃げよ、乙葉」と言って、乙葉の手をつかんだ。
乙葉はうなずいて、ルーカスと一緒に飛び上がった。扉をこえると、バーサークが痛そうに、頭を押さえているのが目に入った。
「じゃあねー」
手を振りながら、ルーカスが陽気に言った。
「くそー、また邪魔しやがったな」
唇を噛みながら、バーサークが言った。
「ガキめ、今度こそしばき倒してやる」
ルーカスはそれを無視し、乙葉と一緒に飛びながら、トイレから出ていった。
しめしめというように、バーサークが言った。
もう終わりだ、そう思った時だった。
「おい、お前、やめろ!」
突然、バーサークが扉の外で、わめきはじめた。
「やめろってば! おい!」
なにが起こったのか、一瞬わけがわからなくなった乙葉は、とりあえず目を開けてみた。すると、扉の上には飛んでいるルーカスがいて、バーサークの頭を、足で思いきり蹴りまくっていた。
乙葉は顔をぱっと輝かせると、
「ルーカス!」と言った。
「乙葉を傷つけるやつは、僕が許さない!」
ルーカスが勇敢に言い放った。
「くそ! お前なんか、こうしてやる!」
そう言うと、バーサークはルーカスめがけて、手に持っていた大きなハンマーを、力の限り振り上げた。
しかしルーカスは、そのハンマーをいとも簡単に避けた。そればかりか、うまく移動して、バーサーク自身の頭に、そのハンマーを振り下ろさせた。
「いっ、いてええ!」
バーサークが悲鳴を上げた。
ルーカスは乙葉がいる個室内に、上から飛んで入っていくと、
「いまのうちに逃げよ、乙葉」と言って、乙葉の手をつかんだ。
乙葉はうなずいて、ルーカスと一緒に飛び上がった。扉をこえると、バーサークが痛そうに、頭を押さえているのが目に入った。
「じゃあねー」
手を振りながら、ルーカスが陽気に言った。
「くそー、また邪魔しやがったな」
唇を噛みながら、バーサークが言った。
「ガキめ、今度こそしばき倒してやる」
ルーカスはそれを無視し、乙葉と一緒に飛びながら、トイレから出ていった。
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