ルーカスと呪われた遊園地（中）

６ 乙葉大ピンチ

７

　柚子はふたたび後ろを振りかえって内田を見た。
「ルーカスをそんな風にせめるのはよくないよ。なにか事情があるのかもしれないしね。それに、乙葉ちゃんを助け出す方法は、きっとまだ、探せばなにかあるはずだよ」
「そうだぜ、嬢ちゃん」
　内田につづいて銀司が、柚子をはげますように言った。
「まだ気を落とすのは早いってもんだ。俺たちでなにかほかに方法がないか、一緒に考えてみようぜ」
「二人とも……」
　内田と銀司のおかげで怒りがすこしおさまった柚子は、二人の心温まる言葉に、思わず驚嘆きょうたんしながら言った。
「ありがとう。そうよね、まだなにかあるはず。そうと決まれば、お姉ちゃんを助け出す方法を、はやく考え出さなくちゃ」
　心を入れ替えて、内田たちのいる方を向きながら立ち上がった柚子が、気合いを入れて言った。
「いまもジェットコースターは動き続けてるんでしょ？　そうなら大変。急いで乙葉ちゃんを、僕たちの手で救い出さないとね」
　内田が張り切って言った。
「おうよ、俺たちがそろって協力すれば、こわいものなしだぜ」
　そう言うと、銀司は腕まくりをした。
　三人が和気あいあいと話をしていたその時、ルーカスはなにかを言いたそうに後ろを見つめたが、しばらくするとまた、外方を向いてしまうのだった。
　柚子は、ルーカスに頼めないと知った一時はどうなることかと思ったけれど、内田と銀司の二人のおかげで、すこしは希望が見えた気がして、ひとまずはほっと胸をなでおろした。

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