上 下
173 / 244
5 地獄行きジェットコースター

20

しおりを挟む
「お姉ちゃん、そんなに心配しなくても大丈夫よ。ルーカスにも、そんな人間らしいところがあったんだっていうだけの話よ」
 乙葉を安心させたいのか、柚子が軽く冗談を言った。
 とうのルーカスは、普段通りに見えるのだけど、どこか物寂しげにも見える。だから気になって、つい訳を聞きたくなってしまいそうになった。
 でも、それはやめておいた方がいいと思った乙葉は、柚子の言うとおり、ルーカスにもたまには行きたくない日が存在するのだろうと考え、なんとか自分を納得させた。
「ほかにやりたいやつは?」
 まわりを見まわしながら、京一が尋ねた。
 すると、どこかからか、そろそろと手ががった。
「じゃあ、僕もちょっと、留守番してていいかな?」
 内田だった。
 昨日きたばかりで、まだ一度も、鍵探しに参加していない内田だったが、早速、留守番を申し出てきた。
「内田さん!」
 なぜか柚子が、うれしそうに言った。
「内田さんがいるなら、ルーカスが一緒に留守番していても安心だわ。だって、ルーカス一人だけだと、こっそり盗み食いとかしちゃいそうだもの」
「失礼だな。別に僕、勝手に盗み食いとかしないよ」
 気分をがいしたように、ルーカスが言った。
「それにしても、内田さんが留守番なんて、なにか理由でもあるんですか?」
 気になったのか、久遠が尋ねた。
「ちょっと、残ってやりたいことがあるんだ」
 いきいきと内田が言った。
「なにを?」
 柚子が尋ねた。
「ふふふ、それは戻ってからのお楽しみだよ」
 親指と人さし指で、あごの下にVの字を作りながら、内田がなにやら、たくらみのある笑みを浮かべて言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...