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3 隠し部屋

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「無理だ。それだけはできない。ほかのことならばなんでも叶えてやれるが、その願いとなると……」
「そうですか、いやはやとても残念です。それではこのお話はなかったことにしてください」
 ピエロは、悲しそうな顔をして言いました。
「私の望みは、この国の王様になることですから」
「そんな……」
 王様はピエロの願いを聞いて、ショックを受けました。
 しかしすぐに冷静になって、自分の体を大きくするか、王様のままでいるか悩みに悩みました。
 そんな王様を見て、ピエロはどうするのか反応をうかがっていました。
 悩んだ末、王様はついに、
「わかった。それなら私は、もう王様をやめる」と、言いました。
 その途端、ピエロはしめた、という顔をしました。
「だから、私の体を大きくしてくれ」
 王様がそう言うと、そばで聞いていた使用人たちは、おどろいて悲鳴を上げました。
「わかりました。ではお望みどおり、王様の体を大きくしてさしあげましょう」
 ピエロはまた、大きなボールの上に乗って、ジャグリングをはじめました。そして王様を見て、
「ピエラン パリラン 王様の体よ、大きくなれ!」と、魔法を唱えました。
 すると、王様の体は、たちまち大きくなりました。これまでの体の二倍、いや三倍にまで大きくなりました。
 体の大きくなった王様は、バンザイして大喜びしました。
 でも王様は、この瞬間、体が大きくなったことで、もう王様ではなくなりました。ただのクマになってしまいました。
 ピエロは王様を、魔法で王座からさっさと下ろし、自分がその王座に座りました。
「クラウスよ。お前はもう王様ではない。この国の王様はこの私だ。それがわかったら、いますぐ出ていけ!」
 容赦ようしゃなくピエロは言いました。
 王様でなくなったクラウスは、仕方なくお城から出ていきました。
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