上 下
69 / 244
2 不審人物

11

しおりを挟む
「ああ……頼んだ」
 京一は、柚子の急な態度の変化に、若干戸惑っているように見えた。
「あいつ、本当に大丈夫か」
 妹の様子をそれほど気にしていない乙葉は、
「大丈夫でしょ」と、深く考えずに答えた。
「でも、どこかの誰かさんとちがって、柚子はか弱いから心配だな」
 意地悪く京一が言った。
「ちょっと、なによそれ。まるで私が、か弱くないみたいな言い方じゃない」
 憤慨しながら乙葉が言った。
「ちがうのか?」
 京一が言った。
「ぜんっぜん、ちがうわよ」
 乙葉は強く否定した。
「どっちかっていうと、私の方がか弱いんだから、そこんとこ、勘違いしないでよね」
「どうだか」
 笑いながら京一が言った。
 乙葉は、そんな京一をうとましく思い。じとっとした目で見た。
「えっとー」
 上の方で声が聞こえて見ると、ルーカスが飛びながら、悩むようにキョロキョロして、カフェ全体を見回している姿が目に入った。
「じゃあ僕も、柚子と一緒に探してくるねー」
 そう言うと、すぐに柚子のいる厨房へと、飛び去った。
 乙葉はまだ入ったばかりだというのに、すでに厨房で探している二人を、感心とおどろきの目で、しばし眺めた。
 残されたのは、乙葉と京一の二人だけだ。
「こんなところで話してないで、はやく私たちも探しましょう」
 乙葉が厨房を見ながら、京一に言った。
「京一はどこ探す……って、あれ?」
 話している途中で、乙葉は、京一がこの場にいないことに気づいた。どこにいったのかと思い、まわりを見回すと、早速見つかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...