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1 絶対絶命ゴーカート

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 話さないのなら仕方ないと思った乙葉は、すぐに気持ちを切り替えて、久遠からみんなに、目を移した。
 すると三人は、なぜか肩を落としながら、がっかりした様子でいる。
 それを見た乙葉は、とっさに、
「ちょっと、どうしたの?」と、困惑しながら言った。
「ダメだった……」
 すぐに柚子が答えた。
「そう……」
 乙葉は一瞬、視線を落とした。しかし、すぐにみんなのいる方を見て、明るい顔になると、
「ま、次探せばいいわよ」と言った。
 続けて久遠も、乙葉につられて明るい顔になると、
「そうですよ。それに次は、ジェットコースターを探す予定が、あるじゃないですか。きっとそこならあると思いますし、落ち込むのは、まだはやいですよ」と、みんなを励ますように言った。
 その時、ルーカスの体が、またこわばり出したのを、乙葉は見逃さなかった。
「そのことなんだが、雨が降ってきたから、今日はもうとりやめにする」
 きっぱりと京一が言った。
「ええっ? 雨ですか?」
 おどろいたように久遠が言った。
 窓を見ると、雨が降っているようには見えなかったため、乙葉と久遠は外に出て、直接たしかめた。すると、乙葉の鼻の頭に、雨がポツリと落ちてきて、小雨が降っているのがわかった。
「まあ、本当だわ」
 空を見上げながら、乙葉が言った。
「降ってますね」
 久遠は、手のひらを前に出しながら言った。
 雨が降っていることを、十分に確認した二人は、これ以上濡れないうちに、乙葉は久遠に手を貸しながら、小屋の中に戻った。
「多分、これから土砂降りになる。そんな時に、ジェットコースターやその周辺を探すのは、危険だ」
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