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1 絶対絶命ゴーカート

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 京一はあくまでも辛辣しんらつだ。
「僕もつかれた。休憩したーい」
 見ると、いつの間にか、ルーカスはベッドの上で寝転んでいた。
「ルーカスは、たまにしか参加してなかったでしょ」
 すかさず柚子が言った。
 全員の様子を見た久遠は、
「でも、たしかに、皆さんのいうとおりですよ。今後に必要な体力のこともありますし、すぐにいくのはよくないと思います。すこし、休憩してからにしませんか?」と、京一に提案した。
 京一は、わかりやすく眉をしかめると、
「ったく、仕方ないな。わかったよ」と、不服そうに言った。
「よかった! これで思う存分、ゴロゴロできるや」
 安心したように、ルーカスが言った。
 それから全員は、それぞれ小屋の中で、しっかりと休憩して、今日一日鍵探しをするために、充分に体力を温存した。
 そののち、曇り空の下、皆で歩いて、ゴーカートまで移動することになった。
 ゴーカートは園内の北東にあり、観覧車よりも奥の場所に存在しているため、小屋からずいぶんと距離があった。ルーカスは飛んでいるからか、移動が一番楽そうだ。その姿を見た乙葉は、うらやましくてたまらない気持ちになりながら、目的地まで歩いた。
 そんなこんなでしばらく歩き、一同は、ゴーカートの、建物の入り口まで到着した。
 建物の中に入ると、すぐにコースが一望できた。
 スタート地点には、遊技用カートが何台も置かれていて、一台一台、色がちがい、カラフルで見栄えがよかった。それからコースの両側には、タイヤがびっしりと、隙間なく、地面に埋め込まれていて、その横には、赤いコーンが、いくつかの地点にまばらに配置されていた。そして、タイヤとコーンの外側には芝生があり、ちらほらと花が咲いている。
「わあ」
 柚子が声を上げた。
「なんか、楽しそう」
「ちょっと、遊びにきたわけじゃないのよ、柚子」
 乙葉が忠告した。
 柚子はムッとすると、
「お姉ちゃん、そんなこと言われなくても、わかってるわよ」と言った。
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