ルーカスと呪われた遊園地（中）

１ 絶対絶命ゴーカート

１７

　続けて柚子が言った。
　しかし、ルーカスだけなにも返事をしなかったため、京一やほかの皆は、けげんそうにルーカスを見つめた。
「おい、ルーカス」
　なかなか返事をしないルーカスに、痺れをきらした様子の京一が言った。
「え？　なに？」
　ルーカスは、おどろいたように京一を見た。
「ったく、話を聞いていなかったのか？」
　呆れながら京一が言った。
「今日はゴーカートとジェットコースター、二つとも探すってことになったんだ。だからもう一度聞く。お前もそれでいいか？」
　するとルーカスは、
「うん。僕もそれでいいと思うよ」と答えた。
「よし、じゃあ決まりだな」
　京一が言った。
「それにしても、今日は暑くなくて、本当によかったわね」
　窓の外を見て、乙葉が言った。
「本当にね」
　おなじく柚子も、窓の外を見て言った。
　それからふと、ルーカスに視線を移すと、いまだにパンを食べる手が止まっていて、窓の外を呆然と、静かに見ていた。
　なんだかルーカスらしくない。そう思いながら、乙葉はルーカスを見て、顔をしかめた。
　そのあと、みんなで他愛のない話を楽しくしながら、朝食を食べた。

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