妖精たちと出会った日

大森かおり

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1 ほかほかのパンプキンパイはいかが?

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 普段、木の妖精を見ることなんて、滅多にないキコリは、木の妖精を前にして、大喜びしていたのだった。
 さあ、この時、キコリに挨拶された木の妖精は、これまで、おそるおそるふたりのことを見ていたのだけど、何もされないことに安心したのか、今度は堂々と、ふたりを見つめ出した。
 しばらくしておばあちゃんは、ゆっくりとテーブルから離れて、木の妖精がのぞいている窓を開けにいった。
 そのあとおばあちゃんによって、窓が開けられると、木の妖精はにっこりと笑って、ふたりを見つめつつ、
「ほかほかのパンプキンパイはいかが?」と、木のカゴに入っていて、きちんとラッピングされている、たくさんのパンプキンパイを見せながら、そう言った。
 するとおばあちゃんは、おなじくにっこりと笑い返すと、
「それじゃあ、おふたついただこうかしら」と言った。
「まいどあり」
 木の妖精はそう言うと、おばあちゃんに、かわいらしく紐でラッピングされたパンプキンパイを、なぜか多めに、三つ渡した。
 おばあちゃんがそのパンプキンパイを受け取ると、首をかしげながら、
「あら、なんだか一つ多いみたいね」と言った。
 すると木の妖精は、口元に、立てている人差し指を当てると、
「しーっ、これはおまけだよ」と言って、お茶目にウインクをした。
「まあ」
 おばあちゃんは木の妖精が、たったいま言ったことにびっくりしながらも、とても嬉しそうに、ふふっと笑った。
「わあ、パンプキンパイよ! 甘くておいしい、パンプキンパイ!」
 キコリは両手を挙げながら、ぴょんぴょん飛び跳ねて、大きな声を上げた。
「私、ちょうどお腹がすいていたところだったの! だから嬉しいわ」
 おばあちゃんが持っている素敵なパンプキンパイに、すっかり夢中になったキコリが、そう言った。
 そのあと、ふと冷静になって、木の妖精を見たキコリは、
「ところで、木の妖精さん。あなた、名前はなんていうの?」と言った。
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