妖精たちと出会った日

大森かおり

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 七歳の、ほっぺたにそばかすのある、背の小さなキコリ。キコリは、栗色の髪の毛を三つ編みにして、青いリボンを使い、後ろでひとつに束ねている、いつも元気いっぱいな女の子だ。そんなキコリは、動物たちがたくさんいる、うっそうとした森の中に、ぽつんと建っている、ヘビ苺色に塗られた屋根の家で、おばあちゃんと一緒に、ふたりきりで暮らしていた。
 キコリは、なんといっても、おばあちゃんが大好き。
 なぜって、おばあちゃんは、しわだらけの、にっこりとした笑顔がかわいい、とても優しいおばあちゃんだからだ。それに、裁縫と料理が上手で、時折キコリに、ミシンでとびきりおしゃれな服を作ってくれたり、オーブンで、キコリの大好物の、おいしいキャロットケーキを作ってくれるからだ。おまけに、夜はキコリが眠るまで、キコリが横になっているベッドの横で、椅子に座って、絵本の読み聞かせをしてくれる。
 キコリのおばあちゃんは、世界中の、誰のどんなおばあちゃんにも負けないくらい、素敵なおばあちゃんだ。
 そしてキコリと、キコリのおばあちゃんは、お互いに、親友のように仲良しだった。それはどこへ行くのも一緒で、いくら話しても話が尽きなくて、話足りないからだ。キコリは、仲良しのおばあちゃんとできるだけ一緒にいたくて、ひとりで外出している時は、なるべくいつも、はやく帰るようにしていた。ああ、本当に、キコリは、周りの人から見ても、どうしようもないおばあちゃん子だ。
 そういった、いつも一緒で、仲良しのふたりは、変わりばえのしない日々を、まるで惜しむように大事に、たのしく過ごしていた。
 そんなある日のこと。
 寒くて秋風の吹く外に出ていたキコリは、家に帰ってすぐに、いつものように、どたどたと騒々しく足音を立てながら、大好きなおばあちゃんのいるキッチンへと向かった。
 まもなくして、いきおいよく扉を開けると、
「ただいま! おばあちゃん。いま帰ったわ」と、はあはあ息を荒げながら言った。
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