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第二章 乱召喚と恋する白魔道士
27話 同じ境遇の人々
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⸺⸺ラナンの村⸺⸺
「黒狼の牙の皆様、ようこそお越しくださいました。わしはこの村の村長をしております、モーリスと申します」
そう言って杖をついたヒュナム族のおじいさんが私たちを出迎えてくれる。
それに対しクエストを受注したジェイミが代表で答えた。
「今日はとりあえず詳しい話を聞きに来ました。マルクス国王陛下も協力してくれるから、なるべく分かってること全部話してください」
「おぉ、陛下も……! 分かりました。この村の現状を見ながらの方が良いでしょう、そちらの広場のベンチでお話しましょう」
皆がうなずくと、村長さんに続いて村の中心にある広場へと移動をした。
その途中でも、何人も日本人っぽい人とすれ違う。
そして広場のベンチに腰掛けると、村長さんが口を開く。
「1ヶ月以上前からです。この村に、急に捨てられて化物に追いかけられたと言ってヒュナム族の方が逃げ込んでくるようになりました」
「お前の世界の人間は皆ああいう見た目か?」
と、レオンが尋ねてきたので、私はうんうんとうなずく。
「私も、その急に捨てられたうちの1人なんです。彼らに話を聞いてもいいですか?」
「なんと、そうでしたか……。ええ、もちろんですとも。呼んで参ります」
村長さんはそう言って1人の男性を連れて戻ってくる。
「初めまして、カズキと申します」
男性は会釈をした。そんな彼へと問いかける。
「カズキさんは、召喚に応じたのですか?」
「はい、次元の狭間を通って召喚に応じました。ですが、何か装置のような物を当てられて、偉そうな人が『いらん』と一言いうと、すぐに建物の外へと連れ出され、森の中に蹴飛ばされました」
「うわぁ、ひど……。装置ってなんだろう。私それすらしてもらえなかったから……」
それに対しカズキさんが答える。
「後々ここに集まってきた同じ境遇の仲間と出した結論は、スキルを何か測定する装置、です」
「そっか、その偉そうな人が何か求めてるスキルがあるんじゃないかってことか」
と、ジェイミ。
それに対しカズキさんが「おそらくは」返事をする。
ここで村長さんが再度口を開く。
「今のところ、村の人間の家に分かれて滞在してもらっていますが、これ以上はもうとても受け入れられそうにありません……」
村長さんははぁっと深くため息をつく。
「モーリス村長、本当に感謝してる。俺たちを受け入れてくれてありがとうな」
と、カズキさん。
「少しくらいなら、君たちも村のことを手伝ってくれているし、こちらとしても助かっているんだよ。ただこうも大人数になってしまうと……」
そのやり取りを見て、レオンが口を開く。
「とりあえず、俺たちはこれからそのクズの集団がいる建物を見てくる。カズキは案内しろ」
「分かりました、お供します」
「状況が掴め次第またこの村に戻ってくるから、その時は連れていけるだけ王都に連れていく。だから残るやつと王都に行くやつと相談しておけ」
「あぁ、ありがとうございます。承知しました、早速相談します」
村長さんは立ち上がってゆっくり礼をすると、広場の向こうへ去っていった。
「虎丸は城に戻ってマルクスに報告だ。その後避難民の護衛があるからできればこの村に戻ってきてほしい」
「承知!」
虎丸さんは短く返事をすると、サッとその場からいなくなった。
それにしても、レオン、リーダーしてるだけあって状況への対応が早いなぁ。
テキパキと指示を出す彼に、尊敬の眼差しを送る私であった。
「黒狼の牙の皆様、ようこそお越しくださいました。わしはこの村の村長をしております、モーリスと申します」
そう言って杖をついたヒュナム族のおじいさんが私たちを出迎えてくれる。
それに対しクエストを受注したジェイミが代表で答えた。
「今日はとりあえず詳しい話を聞きに来ました。マルクス国王陛下も協力してくれるから、なるべく分かってること全部話してください」
「おぉ、陛下も……! 分かりました。この村の現状を見ながらの方が良いでしょう、そちらの広場のベンチでお話しましょう」
皆がうなずくと、村長さんに続いて村の中心にある広場へと移動をした。
その途中でも、何人も日本人っぽい人とすれ違う。
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と、レオンが尋ねてきたので、私はうんうんとうなずく。
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村長さんはそう言って1人の男性を連れて戻ってくる。
「初めまして、カズキと申します」
男性は会釈をした。そんな彼へと問いかける。
「カズキさんは、召喚に応じたのですか?」
「はい、次元の狭間を通って召喚に応じました。ですが、何か装置のような物を当てられて、偉そうな人が『いらん』と一言いうと、すぐに建物の外へと連れ出され、森の中に蹴飛ばされました」
「うわぁ、ひど……。装置ってなんだろう。私それすらしてもらえなかったから……」
それに対しカズキさんが答える。
「後々ここに集まってきた同じ境遇の仲間と出した結論は、スキルを何か測定する装置、です」
「そっか、その偉そうな人が何か求めてるスキルがあるんじゃないかってことか」
と、ジェイミ。
それに対しカズキさんが「おそらくは」返事をする。
ここで村長さんが再度口を開く。
「今のところ、村の人間の家に分かれて滞在してもらっていますが、これ以上はもうとても受け入れられそうにありません……」
村長さんははぁっと深くため息をつく。
「モーリス村長、本当に感謝してる。俺たちを受け入れてくれてありがとうな」
と、カズキさん。
「少しくらいなら、君たちも村のことを手伝ってくれているし、こちらとしても助かっているんだよ。ただこうも大人数になってしまうと……」
そのやり取りを見て、レオンが口を開く。
「とりあえず、俺たちはこれからそのクズの集団がいる建物を見てくる。カズキは案内しろ」
「分かりました、お供します」
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「あぁ、ありがとうございます。承知しました、早速相談します」
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「虎丸は城に戻ってマルクスに報告だ。その後避難民の護衛があるからできればこの村に戻ってきてほしい」
「承知!」
虎丸さんは短く返事をすると、サッとその場からいなくなった。
それにしても、レオン、リーダーしてるだけあって状況への対応が早いなぁ。
テキパキと指示を出す彼に、尊敬の眼差しを送る私であった。
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