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1話 モブと聖女
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生まれ育った村を出て、火山への道をトボトボと歩く。少しでも立ち止まると付き添いのおじさんに背中を押されて、立ち止まることも許されない。
両腕をロープで縛られていて、前を歩く別のおじさんに引かれている。どうせ逃げる事なんてできないのだから、少しくらいゆっくり歩かせてくれてもいいのに。
今日これから私は、村の聖女の代わりに火山に住む邪竜の生贄になりに行く。
生贄になるのは村に恩恵をもたらす聖女より、なんの取り柄もないモブ女の方が理にかなっている。それは、私でもそう思う。
だけど、これから死ぬと分かっているというのは、何とも恐ろしいものだと思った。
この火山までの道のりをトボトボと歩きながら、私はこれまでの人生を振り返った。
⸺⸺12年前⸺⸺
6歳の頃、“セイラ”に石を投げられ、その石が頭にクリーンヒットした時、私の前世としての記憶が一気に脳裏に蘇った。
前世は賑やかな町の小さな薬屋の娘。名前は思い出せない。強いて言うなら“町人K”といったところだろうか。
更にその前は日本という国のOLという身分。やはり名前は思い出せず“会社員P”辺りだろうか。
今回は王国の端の田舎村『エッケ』の貧乏一家の娘。一応“ジェニー”という名がついているが、セイラからは“オマケ”と呼ばれていた。
そのセイラというのは同じ年の女の子で、村長の孫娘である。
エッケの村は子供の数が少なく、同級生はセイラしかいなかったため、私は何をするにもセイラと比べられた。
セイラは頭も良く容姿端麗であり、世渡りも上手い。陰では隠れて私に石を投げたり、私を罵倒して楽しんでいるものの、大人が誰か来ようものなら態度が一変、私の額を擦って「ジェニー、大丈夫?」と涙をためて心配する素振りを見せるのである。
一方で私は、勉強なんて教えてくれる人も居なかったため頭も悪く、顔は腫れぼったいまぶたに大量のそばかす。髪だって水で洗っているからボサボサのパサパサ。自分でもブスだと思う。
あれ? 何で私前世の記憶なんて思い出したのだろう。モブからモブへ、更にモブからモブへの転生。しかも今回のモブは最悪の人生だ。
普通、前世の記憶を持って転生する人って、何かチート能力みたいなのがあるんじゃないの? 日本人の時にそうやって学んだんだけど……。
何でこんな劣化転生みたいな事になっているんだろう。こんな事なら、アホなジェニーのままで虐められている事すら理解出来ずにヘラヘラ笑っていたかった。
でも、もう笑えない。だから私は……その石を投げ返した。
「痛っ!? あ、あんた……あたしのオマケのくせに今何したか分かってんの!?」
「セイラちゃんのオマケなんで、セイラちゃんに憧れて同じ事をしてみました~」
「へっ!?」
今までの私とは態度が一変したからか、セイラは後退って表情も強張っていた。そして、その日以来セイラは私には近付かなくなった。
⸺⸺
この村は、貧しいにも関わらず廃村には決してならなかった。
それは、この村の外れの山に湧き出ている湧き水のお陰だった。その水には不思議な魔力が込められており『長寿の水』として都会の貴族に親しまれていた。
その湧き水が出るようになったのは、6年前からだった。そのため、村の皆は口を揃えてセイラを“聖女”と呼んだ。湧き水が出るのは聖女セイラのお陰、彼女は女神様の生まれ変わり、この村の希望だ。
そうやって大人が囃し立てるので、セイラは当たり前のように天狗になり、傲慢に育ってしまった。
私だって、セイラが聖女であると言うのを疑った事はない。セイラは、聖女だと思う。それは間違いない。
そんなセイラのご加護もあってか、村は少しずつ富を蓄えていった。
⸺⸺
そんな私の回想は、私の前を歩く村のおじさんによって遮られた。
「ジェニー、君には悪いと思っているよ、本当に」
これっぽっちも悪いと思っていない事くらい、私でも分かる。
「でも、仕方がないんだ。俺らはセイラを失う訳にはいかない……セイラはこの村に必要な聖女だからな……」
私の後ろを歩くおじさんもそう必死に言い訳をしてくる。
「分かってる。もういいの。生贄になること、受け入れてるから」
「そ、そうか……ごめんな、ありがとう……」
でも私は知っている。この火山に眠っていた邪竜の封印を解いたのは、この村の大人たちだ。
両腕をロープで縛られていて、前を歩く別のおじさんに引かれている。どうせ逃げる事なんてできないのだから、少しくらいゆっくり歩かせてくれてもいいのに。
今日これから私は、村の聖女の代わりに火山に住む邪竜の生贄になりに行く。
生贄になるのは村に恩恵をもたらす聖女より、なんの取り柄もないモブ女の方が理にかなっている。それは、私でもそう思う。
だけど、これから死ぬと分かっているというのは、何とも恐ろしいものだと思った。
この火山までの道のりをトボトボと歩きながら、私はこれまでの人生を振り返った。
⸺⸺12年前⸺⸺
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前世は賑やかな町の小さな薬屋の娘。名前は思い出せない。強いて言うなら“町人K”といったところだろうか。
更にその前は日本という国のOLという身分。やはり名前は思い出せず“会社員P”辺りだろうか。
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そのセイラというのは同じ年の女の子で、村長の孫娘である。
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セイラは頭も良く容姿端麗であり、世渡りも上手い。陰では隠れて私に石を投げたり、私を罵倒して楽しんでいるものの、大人が誰か来ようものなら態度が一変、私の額を擦って「ジェニー、大丈夫?」と涙をためて心配する素振りを見せるのである。
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何でこんな劣化転生みたいな事になっているんだろう。こんな事なら、アホなジェニーのままで虐められている事すら理解出来ずにヘラヘラ笑っていたかった。
でも、もう笑えない。だから私は……その石を投げ返した。
「痛っ!? あ、あんた……あたしのオマケのくせに今何したか分かってんの!?」
「セイラちゃんのオマケなんで、セイラちゃんに憧れて同じ事をしてみました~」
「へっ!?」
今までの私とは態度が一変したからか、セイラは後退って表情も強張っていた。そして、その日以来セイラは私には近付かなくなった。
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それは、この村の外れの山に湧き出ている湧き水のお陰だった。その水には不思議な魔力が込められており『長寿の水』として都会の貴族に親しまれていた。
その湧き水が出るようになったのは、6年前からだった。そのため、村の皆は口を揃えてセイラを“聖女”と呼んだ。湧き水が出るのは聖女セイラのお陰、彼女は女神様の生まれ変わり、この村の希望だ。
そうやって大人が囃し立てるので、セイラは当たり前のように天狗になり、傲慢に育ってしまった。
私だって、セイラが聖女であると言うのを疑った事はない。セイラは、聖女だと思う。それは間違いない。
そんなセイラのご加護もあってか、村は少しずつ富を蓄えていった。
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そんな私の回想は、私の前を歩く村のおじさんによって遮られた。
「ジェニー、君には悪いと思っているよ、本当に」
これっぽっちも悪いと思っていない事くらい、私でも分かる。
「でも、仕方がないんだ。俺らはセイラを失う訳にはいかない……セイラはこの村に必要な聖女だからな……」
私の後ろを歩くおじさんもそう必死に言い訳をしてくる。
「分かってる。もういいの。生贄になること、受け入れてるから」
「そ、そうか……ごめんな、ありがとう……」
でも私は知っている。この火山に眠っていた邪竜の封印を解いたのは、この村の大人たちだ。
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