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第二章 リリアーヌ

1年1組

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ドアを開けて教室に入ると、すでに何人かがグループを作ってた。 

席は、前方に教壇があり、
教壇と向かい合うように、
横5席、縦4列の十分に余裕があるように机が並んでいた。
専科は席が決められていない。
他の学科は成績順に最前列の窓際から横に順番になるように指定されている。

クリストフ殿下が学院については、説明してくれた。
殿下の席は、2年1組の最前列の窓際。
暗黙の了解で、専科の席は身分順になっている。との事だ。
父様は昔過ぎて覚えていなかったので、
とても助かった。

「ここで良いかな?」

私はドアから入ってすぐの席に荷物を置いた。
このクラスで一番の末席にあたる。

私がそこに座ると、それまで所在なさげにしていた数人が、席に荷物を置き始めた。

「いやーね。制服が同じクラスなんて」

「全くですわ」

前方の女子3人の声らしい。

制服??
私や後方に席を決めた数人の事?
みんな白の制服を着ていた。

学院では、制服がある。

専科は、白のブラウスに白色と紺色のフレアロングスカート、ボレロが各2種類。胸には濃紺のリボン。
男子はブラウスとベストが白、ズボンとジャケットが白と紺色2種類。濃紺のリボンタイ、

最初は、スカートやズボンも白1色だったが、汚れが目立つと不評で紺色も用意されたらしい………
式典がある時は、白の方を着るのが一般的らしい。

この制服。
貴族には不評で、着なくても良い。
着ない場合は、リボンやタイを何らかの形で身に付けるか、白を基調とした服を着用する事になっている。

白と紺色は、シーちゃんの色だね
シーちゃんは白い身体で紺色の瞳を持ってる。
これは、龍形になっても同じだ。

前の3人は、それぞれ胸元に紺のリボンを着け、ドレスを着てる。

わざわざリボンに合うドレスを作らせたのか?
ご苦労様です。

制服を着ているのは、私の含めて6人。
私以外は男子だが、後ろの席は全員制服。

いつの間にか全員が席に着けたようだ。
私の他は、何かしら知り合いらしく、
自然と自分の座る場所を理解しているらしい……
すごいな!!
この年齢で自分の立場を理解しているなんて。
私なんか引きこもりだから、まったくわかんない。

女の子3人組は1人が一番前の列で、
残り2人は、その後ろに陣取ってる。
所謂、取り巻きってやつ??

教室の中を一番端から観察していると、なかなか面白い人間関係がわかってくる。

窓際の前の席………このクラスで一番の権力者の男の子。
この子も制服を着てる。
王族は、式典の時は白龍に敬意を表して制服を着ることが義務付けられているらしいから、
王族なんだろうな??知らないけど。

クリストフ殿下は、服を選ぶのが面倒だからと、いつも制服だ。(笑)

制服があるなら、着れば良いのにね?
制服を着ない事で家の財力を見せつけているんだって。
富める者がお金を使うことによって、経済が回るのだから、良い面もあるんだよ。
とも殿下が教えてくれた。
制服一つとっても、奥が深い。

制服の隣に座っているのが、先程のボス的な女の子。

あと廊下側の最前列、2列目に2人、私の前の席が女の子で女子6人。
制服は私1人だ。

うーん、仲良くなれるか不安。
前の席の子も、こっちを見ようとしない。
話しかけてくるなオーラをビシバシ感じる。


そんな事を考えてると
『ガラッ』
前のドアが開き、先生らしき人が入ってきた。


    
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