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季節話
龍神様とおにぎり
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これはある昼下がり。いつものようにに畑仕事を終わらせた龍平が屋敷に戻ると、台所にいつもは無いものが置いてあることに気づきました。
「これは…握り飯?」
そこに置いてあったのは綺麗な三角形のおにぎりでした。龍神様は現在出かけているので、おそらく龍平のために握ってくれたものでしょう。
「いただきます。」
龍平は両手をパンと合わせると腹の虫を鳴らしながら挨拶すると、ハグっとかぶりつきます。
「…!美味…!」
そのおにぎりは絶妙な力加減、塩加減で握られており、少し冷めてしまってはいるもののそれはそれは美味しいものでした。龍平は夢中で食べ進め、すぐに全てを腹の中収めました。
「ご馳走様でした。」
龍平はまたパンッと手を合わせると丁寧に挨拶をしました。そして一息つくかと考えていたところ、ふとひつの中にまだ米が残っていることに気づきました。
それから数刻後、龍神様が屋敷に戻ってきました。
「ただいまぁ…と、龍平はまた畑か。」
龍平は畑仕事に戻ったので、屋敷には龍神様だけです。龍神様は龍平の為に置いていったおにぎりが食べられているか確認するために台所に向かいました、が、そこには出かける前と変わらずおにぎりが置いてありました。
「なんだぁ?食べなかったのかぁ?まさかずっと畑仕事…ん?」
そこまで言った時、龍神様はそこに置かれたおにぎりが出かける前とは比べ物にならないほど歪になっていることに気づきました。
「これは…。」
そう、そこに置いてあったのは龍平が龍神様のために握った歪で大きさもバラバラなおにぎりでした。
「…くはは。これほど美味そうなおにぎり、見たことないわい。」
龍神様はそう言うとパクリと1口おにぎりを食べました。その味は、今まで食べたどんなものより美味しいものでした。
「これは…握り飯?」
そこに置いてあったのは綺麗な三角形のおにぎりでした。龍神様は現在出かけているので、おそらく龍平のために握ってくれたものでしょう。
「いただきます。」
龍平は両手をパンと合わせると腹の虫を鳴らしながら挨拶すると、ハグっとかぶりつきます。
「…!美味…!」
そのおにぎりは絶妙な力加減、塩加減で握られており、少し冷めてしまってはいるもののそれはそれは美味しいものでした。龍平は夢中で食べ進め、すぐに全てを腹の中収めました。
「ご馳走様でした。」
龍平はまたパンッと手を合わせると丁寧に挨拶をしました。そして一息つくかと考えていたところ、ふとひつの中にまだ米が残っていることに気づきました。
それから数刻後、龍神様が屋敷に戻ってきました。
「ただいまぁ…と、龍平はまた畑か。」
龍平は畑仕事に戻ったので、屋敷には龍神様だけです。龍神様は龍平の為に置いていったおにぎりが食べられているか確認するために台所に向かいました、が、そこには出かける前と変わらずおにぎりが置いてありました。
「なんだぁ?食べなかったのかぁ?まさかずっと畑仕事…ん?」
そこまで言った時、龍神様はそこに置かれたおにぎりが出かける前とは比べ物にならないほど歪になっていることに気づきました。
「これは…。」
そう、そこに置いてあったのは龍平が龍神様のために握った歪で大きさもバラバラなおにぎりでした。
「…くはは。これほど美味そうなおにぎり、見たことないわい。」
龍神様はそう言うとパクリと1口おにぎりを食べました。その味は、今まで食べたどんなものより美味しいものでした。
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