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おまけ
龍神様と蛇神(おまけその伍)
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龍平が龍神様の元で暮らすようになって数ヶ月。龍平が何気なく庭に出ると、1匹の蛇がおりました。
「お?蛇だ。なんでこんな所に蛇が?」
龍平はそう言うと蛇に向かって手を伸ばしました。すると蛇は龍平の手にスルスルと絡まり、懐いたように手をぺろぺろと舐めています。
「おおー、人なっこい蛇だな。」
懐いてくれる蛇の様子に嬉しくなった龍平は暫く蛇と戯れておりました。すると、
「ぬおぉぉぉぉ!龍平!今すぐその蛇から離れろぉ!」
珍しく慌てた様子の龍神様が、龍平に向かって叫びながら龍平の元へ急ぎ来ました。
「え、それってどういう…」
龍平がそこまで言うと、蛇はスルスルと龍平の手から離れたかと思うと、なんと、とても美しい美女に姿を変化させました。
「え!女性!?なんで!!」
龍平はあまりの事態に驚きを隠せません。加えて、龍平は女性に慣れていないのです。そんな龍平の目の前に、この世離れしたような長い黒髪の美しい女性が現れたので、龍平は直視出来ない上に平静ではいられません。
「だから離れろと言ったのだぁ。龍平、見るんじゃあない。目移りでもしたら私が悲しくなるぅ。」
龍神様はそう言うと、単純に嫉妬心から龍平の目を手で覆いました。
「くふふ…愛い反応をしてくれるの。龍平とやら、安心せい。食ってとったりせんわ。」
「当然だ、蛇神よぉ。その様なこと私がさせんわぁ。」
「じゃ、蛇神…?」
龍平は龍神様に目を覆われたことで少し平静さ取り戻したようでした。
「うむ。わらわは蛇神じゃ。今日は龍神が最近可愛がっているという龍平がどのようなやつか見に来たのじゃ。」
「来なくて良いのに…。」
「つれないことを言うでない、龍神よ。じゃが…思っていたよりからかいがいのある可愛らしいやつじゃの。まさか女性の姿を見ただけで心の中がこんなにも乱れるとは…。『女性、美しい、いい匂いがする、可愛らしい、柔らかそう』か。くふふ、これからもたまに来てみようかの。」
「もう一度言うぞぉ。来なくてもよい。」
「つれないの。…龍平よ。」
そう言うと蛇神は龍神の手をひょいと退け、龍平の目を見ました。
「ひぇっ!な、なんでしょう…。」
「わらわは龍神が一緒になると言う奴がろくでもない奴であれば神の力を持ってして、どうにかするつもりでおった。が、お主はわらわも気に入った。純粋で、真っ直ぐじゃ。…龍神を頼むぞ。」
蛇神はそう言うと、ふっと消えてしまいました。
「な、何だったんでしょう…。」
龍平は怒涛の展開に頭が追いつきません。その隣で龍神様は少し不服そうな顔をしています。
「龍平よ、女性の姿を見ただけで『いい匂いがする』だの『柔らかそう』だの思うとは。私の言う者がいながらぁ。」
「へ!?あ、さっき蛇神様が言われてたことですか!?い、いやそんなことは!」
「龍平、蛇神はなぁ、私と同じように特殊な力を持っておる。『人の心を読む力』をなぁ。」
「え、じゃあ俺がさっき思っていたことは全部…」
「筒抜けだぁ。」
龍平は恥ずかしさのあまり混乱している頭を爆発させ、固まってしまいました。
「だがまぁ、親の承諾を得たというのは良かったなぁ。」
「は?親って…」
「蛇神は私の母だぁ。」
「はい!?!?」
龍平の頭はすでに許容量を超えています。が、龍神様は構わず続けます。
「そういう訳で龍平、親のお墨付きもあるし、私と婚姻を結んでくれるかぁ?」
「もう…勘弁してください!!!」
龍平はわずか数刻の出来事を消化できず、堪らず声を上げるのでした。
「お?蛇だ。なんでこんな所に蛇が?」
龍平はそう言うと蛇に向かって手を伸ばしました。すると蛇は龍平の手にスルスルと絡まり、懐いたように手をぺろぺろと舐めています。
「おおー、人なっこい蛇だな。」
懐いてくれる蛇の様子に嬉しくなった龍平は暫く蛇と戯れておりました。すると、
「ぬおぉぉぉぉ!龍平!今すぐその蛇から離れろぉ!」
珍しく慌てた様子の龍神様が、龍平に向かって叫びながら龍平の元へ急ぎ来ました。
「え、それってどういう…」
龍平がそこまで言うと、蛇はスルスルと龍平の手から離れたかと思うと、なんと、とても美しい美女に姿を変化させました。
「え!女性!?なんで!!」
龍平はあまりの事態に驚きを隠せません。加えて、龍平は女性に慣れていないのです。そんな龍平の目の前に、この世離れしたような長い黒髪の美しい女性が現れたので、龍平は直視出来ない上に平静ではいられません。
「だから離れろと言ったのだぁ。龍平、見るんじゃあない。目移りでもしたら私が悲しくなるぅ。」
龍神様はそう言うと、単純に嫉妬心から龍平の目を手で覆いました。
「くふふ…愛い反応をしてくれるの。龍平とやら、安心せい。食ってとったりせんわ。」
「当然だ、蛇神よぉ。その様なこと私がさせんわぁ。」
「じゃ、蛇神…?」
龍平は龍神様に目を覆われたことで少し平静さ取り戻したようでした。
「うむ。わらわは蛇神じゃ。今日は龍神が最近可愛がっているという龍平がどのようなやつか見に来たのじゃ。」
「来なくて良いのに…。」
「つれないことを言うでない、龍神よ。じゃが…思っていたよりからかいがいのある可愛らしいやつじゃの。まさか女性の姿を見ただけで心の中がこんなにも乱れるとは…。『女性、美しい、いい匂いがする、可愛らしい、柔らかそう』か。くふふ、これからもたまに来てみようかの。」
「もう一度言うぞぉ。来なくてもよい。」
「つれないの。…龍平よ。」
そう言うと蛇神は龍神の手をひょいと退け、龍平の目を見ました。
「ひぇっ!な、なんでしょう…。」
「わらわは龍神が一緒になると言う奴がろくでもない奴であれば神の力を持ってして、どうにかするつもりでおった。が、お主はわらわも気に入った。純粋で、真っ直ぐじゃ。…龍神を頼むぞ。」
蛇神はそう言うと、ふっと消えてしまいました。
「な、何だったんでしょう…。」
龍平は怒涛の展開に頭が追いつきません。その隣で龍神様は少し不服そうな顔をしています。
「龍平よ、女性の姿を見ただけで『いい匂いがする』だの『柔らかそう』だの思うとは。私の言う者がいながらぁ。」
「へ!?あ、さっき蛇神様が言われてたことですか!?い、いやそんなことは!」
「龍平、蛇神はなぁ、私と同じように特殊な力を持っておる。『人の心を読む力』をなぁ。」
「え、じゃあ俺がさっき思っていたことは全部…」
「筒抜けだぁ。」
龍平は恥ずかしさのあまり混乱している頭を爆発させ、固まってしまいました。
「だがまぁ、親の承諾を得たというのは良かったなぁ。」
「は?親って…」
「蛇神は私の母だぁ。」
「はい!?!?」
龍平の頭はすでに許容量を超えています。が、龍神様は構わず続けます。
「そういう訳で龍平、親のお墨付きもあるし、私と婚姻を結んでくれるかぁ?」
「もう…勘弁してください!!!」
龍平はわずか数刻の出来事を消化できず、堪らず声を上げるのでした。
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