龍神様の住む村

季節話

龍神様とみに

 「龍平～遊びに来たよ！」

「うっ、もぐら…くん？様？」

今日、龍神様と御屋敷には龍神様と友神の土公神、もといもぐらが来ています。龍平はもぐらと初めて会った時、神様だと知らなかったとはいえ失礼な態度を取ってしまったのではないか、と冷や冷やしています。

「龍平？もぐらくんでいいよ、気安く呼んで！」

「い、いえ、神様とお聞きしたのでやっぱりちょっと君付けは…。」

「ふ～ん？龍平が嫌なら仕方ないけど、僕はもぐら君って呼んでくれないなら神の力を使ってあんなことやこんなことをしてもいいんだよ？」

「どんなこと！？分かった！もぐら君！もぐら君と呼ばせていただきます！」

龍平は慌てて訂正します。もぐらは可愛らしい少年の容姿ですが神としての力は龍神様と匹敵するほど。下手なことはしたくありません。

「えっと、それで、もぐら君は今日は何をしに…？龍神様は今食料を調達しに行っていますが。」

「ふふん！今日は龍平に悪戯しに来たんだ！僕の力は龍神から聞いてるよね？ものの大きさを変える！これで面白いこと考えたからさ！」

「い、嫌な予感しかしないのですが…。」

「じゃあ早速！はい！」

もぐらがそう言った途端、龍平の着ていた衣服が若干縮み、龍平の鍛え抜かれた筋肉の形が顕になり、足は太ももがチラリと見えています。

「うわぁ！え、衣服が…縮んたのですが…。」

「うん！悪戯！じゃ、そろそろ龍神が帰ってくると思うから、僕は退散するよ！離れたところから反応は見るけどね、じゃ！」

「えっ！ちょっともぐら君！？」

もぐらは龍平の衣服を縮めるとすぐにすたこらと去っていきました。残された龍平はぽかんとしたまま固まっています。そして時悪く龍神様が帰ってきました。

「龍平帰ったぞぉ…お？龍平お主その服は…私を誘っておるのかぁ？ついに同衾のお誘…」

「断じて違いますから！もぐら君！！！！！！」


 もぐらの悪戯は決して危険なものであったり神の力を振るうものではありませんでしたが、龍平はその悪戯で確実に精神をすり減らされるのでした。