プロパーとナースの冒険

１話：生い立ちと学校時代

　１９５０年３月２日、茨城県の筑波山の麓の豪農の家の三男として、石津健之助は誕生した。戦後５年で、巷では食糧事情が悪いにも関わらず、米や小麦を栽培して、ひもじい思いをせずに、幼少期を過ごして、幼稚園、小学校、中学を卒業し、土浦一高を経て、優秀な成績であったため返還不要の育英会奨学金に合格。

　奨学金と実家からの月に５万円の仕送りがあり比較的自由にお金を使えた。また、生来、愛想が良くて友達作りがうまく調子の良い所があり東京、杉並の富豪の息子、谷山圭介と仲良くなって、その家の離れの開いてる部屋を、家の手伝いをすると言うことで無料で借りた。

　そこに住むことになり、当時としては豪勢な学生生活を送れるようになった。手伝いと言っても、その家の小学生と中学生の子供３人に週に２回、英語と数学を教えて、買い物に行ったり、奥さんが仕事で忙しいときには料理をしたり、風呂を沸かしたりする。

　その他、電話で指示されたことを引き受けて、家の旦那さん、奥さんに好評だった。そして、１８歳、１９６８年になると、すぐに運転免許を取り、その家のベンツで送り迎えをしたりして、便利屋として重宝がられた。そして、慶応大学商学部に入学した。

　大学では、旅行研究会と投資研究会に所属して、青春を謳歌した。しかし、入部の動機は単純で、日本、アジア、アメリカ、欧州を安く旅行する方法を知るために旅行研究会に、また、その資金を得るために投資研究会に入部した。１０月からは、土日に家庭教師を６つかけ持ちした。

　富裕層の生徒の家で、月に５千円、６軒で月に合計３万円をもらった。これで、奨学金４万円と実家からの仕送り５万円、家庭教師３万円の合計１２万円と新卒サラリーマンよりも収入が多くなった。１年生の夏休み、先輩の車に分乗して、５人で、仙台の秋保温泉の安宿に宿泊。

　青森は浅虫温泉に泊まり、魚市場の旨い魚を食べて、青森からフェリーに乗り函館も湯の川温泉に宿泊。大沼で休憩して、駒ヶ岳を見物。その後、数時間ボート遊びをし、洞爺湖温泉にとまった。翌日、中山峠を抜け、札幌を観光し、中島公園の近くに宿泊。

　翌日は小樽、余市を観光して、小樽から石狩方面の海沿いの道を北上して増毛から留萌。留萌で宿泊。更に、海岸線を北上して、稚内で宿泊。名寄、士別、旭川に泊まり、上士幌町、足寄、本別を通って、夜通し運転して釧路について、東京行きのフェリーに乗って帰った。

　大学２年の時には、１年の時と同じ仲間５人で、東京、有明港から徳島経由で北九州へ行き、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、宮崎、延岡、大分、別府をまわった、地元の温泉や、物料理を楽しんで、やく１ヶ月の旅行を楽しんだ。

　その後、大学３年の時には、橫浜から船に乗って、シベリア鉄道で、欧州を２ケ月かけて貧乏旅行をした。北欧各国、ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリス、フランス、スイス、イタリア、オーストリーを回ってきた。、翌年、１９７２年３月に慶応大学商学部を卒業し、その後、愛宕製薬の入社試験を受験して、合格して営業部に医薬品プロパーとして採用された。