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16話:奥さんの妊娠と結婚式と昔話

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 それにしても、すごい娘さんと仲良くなったねと言い、お前の優しい話し方が気に入ったのかも知れないねと、意味深な笑いを浮かべて言った。その後、長女の幸子から双子を妊娠した電話が入り、出産予定日は1984年12月17日だと話した。

 出産後、そっちで、しばらくの間、お世話になるかも知れないと話し、母に電話を代わった。数分して電話が終わった。そして母が、幸子が12月中旬に、ここへ来るというので、以前、幸子のいた部屋に入ってもらおうと言い、双子ができたら、世話が2倍かかり大変よと言い、父に、手伝って下さいねと念を押した。

 まー仕方ないなと、父が言った。幸一が、俺、京子さんと結婚したら、家を出て、秋葉原周辺に、マンション借りると言い出した。ところで結婚式は、いつ頃になりそうなのかと聞くと、幸一が、俺がOKと言ったら、直ぐと笑いながら言った。今年秋かなと、言い、年末までには、結婚したいと話した。

 それを聞いて、父が、今年は、忙しくなるぞと困った様に言った。それに対して、仕方ないでしょと言い、そうなったら、父さんにも、いろいろ手伝ってもらわなくてはねと肩をたたいた。その後、幸一が、京子さんとの結婚式が10月6日土曜、場所は、竹橋近くで秋葉原からも近く。

 皇居のほとりにあるKKRホテル東京だと話した。時間は、11時に結婚式12時から14時が披露宴と語った。案内状の送付などは、全て自分達でやるが、うちの親戚で呼ぶ人は、と聞くと、父が祖父母はなくなっているから、いないと言った。幸一が、日本電気から40人を呼び、奥さんは、両親が帯広から来るだけと言った。

 それを聞いて、両親が、わかったと答えた。うちからは、両親と次女の幸恵だけだろうと言った。やがて10月6日、当日は晴天で、次女の幸恵と両親が10時に結婚式場に到着した。そして、幸恵が新婦の黒岩京子さんに、初対面の挨拶をした。

 その後、黒岩京子さんの御両親が現れて、初対面の挨拶をし、私が、京子の父の黒岩巌男で、こっちが母の富子ですと言った。次に、私は、菅原幸一の父、菅原肇で、これが母の菅原タエと紹介をした。昨晩は、このホテルに宿泊したそうだ。そして両家の両親も着替え終わり結婚式場に移動した。

 最初に、神父さんが、お決まりの言葉を発して、新郎新婦が受け答えして、指輪交換、京子さんの父と京子さんがバージンロードを進み、やがて、新郎の幸一に交代してカーペットの上を進んで、友人達の待つ所へ行き、祝福を受けて、最後にブーケトスで終了。

 その後、披露宴会場に移動した。その後。会社の仲間で幸一の後輩の男が、進行役と司会をして幸一と京子の入場を上手に紹介した。すると、おおきな拍手が巻き起こり、新郎新婦が席に着き、挨拶した。その後、招待客のテーブルを次々と回り、キャンドルに灯りをともすと、祝福、拍手や激励の声が飛んだ。

 それに、答えながら笑顔で、会場を一周した。次に、幸一の会社の上司からの挨拶と奥さんの短大時代の友人から祝辞を受けた。すると、新婦の目に涙が浮かび、感動のシーンとなった。その後、余興、歌が始まり、司会者が上手に紹介して進行していった。

 そして、参加者達が、ビール、ワインを飲みながら食事をして、話を聞いていた。13時半頃になり、お決まりの新郎新婦の両親の話と新郎新婦の言葉が始まり、感動の涙となり、会場は静まりかえった。特に、新婦の両親の話が感動的で、多くの人の涙を誘った。

 その話とは、お前が、3歳の2月、風邪にかかり、39度近い熱を出した。しかし、近くの医者まで、行こうとしたが猛吹雪で行けず、右往左往していた。そんな時に、母が、娘の布団に入り、酒を飲んで裸で抱きしめ、娘の体を暖め、父は、大きな氷嚢を溶けては、氷を入れ、寝ずに看病した。

 すると、翌朝、徐々に熱が下がり、父が、水を一杯飲ませて、2日目には37度前下がり、3日目には、おかゆを食べられるようになり、命が救われた話を感動的に司会者が話すと、会場からすすり泣く声や嗚咽が聞こえ、感動的なフィナーレとなった。
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